【大紀元日本8月21日】四川大地震発生100日が経つ中、遺族による祀る行事が警察の厳しい監視の中で行われた。欠陥建築校舎の倒壊により1万人6千人以上の生徒の命が奪われたことについて、責任追及と補償問題に強い不満を持つ親たちに、当局は様々な方策を講じているのが明らかとなった。
現地からの情報によると、8月19日までの三日間、最も多くの死者を出した北川中学校では、親たちはわが子を弔う行事を続ける。8月19日に約数千人の親が集り、大勢の警察が周辺の各主要道路に配置され、至る所にパトカーや宣伝車がみられた。
大紀元に寄せられた市民の証言によると、8月18日午前10時半ごろ、綿竹市では欠陥建築問題の責任追及を訴える遺族らが集ったが、10分以内に大量の警察が現場に入り道路を封鎖、暴力で人々を威圧し退散させた。
我が子を亡くした親たちは当局に対し、欠陥建築校舎の責任究明を求め続けているが、地方政権は弾圧手段を講じ、身柄拘束されている親もいる。また、五輪期間中に北京での陳情を阻止するため、電話が盗聴され監視されているとの証言もあり、子供の遺影を抱いて教室で授業を受けようとした親が警察に強制退去させられたという。
大紀元の取材に応じた母親は、「地震当時、17歳の娘は校舎の4階で授業中だった。同じ学校の脱出した生徒によると、わずか5秒の間に、4階建ての校舎が全壊した。逃げる術もなかったはず。娘は一体どこに行ってしまったのか」と話した。
また、外国メディアに実情を訴えるのを防ぐため、当局は絶えず「思想教育」を徹底している。「自分たちのことは自分の国家に任せる。外国メディアによくない情報を漏らしてはいけない」と宣伝しているという。
7月には、現地政権が遺族一世帯あたり6千元(約10万円)の慰問金を支給、15年間の年金保険の購入を約束した。受取の前提条件は、欠陥建築問題の責任追及を取りやめ、陳情を行わない、と約束すること。受領した親は皆協議書に署名、政府に感謝を表すると共に、地震という自然災害による死亡であると確認する内容である。受取拒否の親もいるという。
関係者によると、この慰問金は民間団体の義捐金であり、政府が支出したものではないという。
また、震災後、ボランティアとして被災地で救援活動に参加した四川省徳陽市広漢中学校の教師・劉紹坤さんは、全壊した多くの校舎を撮影、その写真をインターネットで公開したため、6月25日当局に逮捕され、「国家政権転覆罪」の罪状で有期懲役1年を処せられた。
ある親は、「このような理不尽なことを強いられているのに、訴えるところはどこにもない」と無念さを語った。
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