【大紀元日本3月28日】品質が悪く人気のない四川省産の重慶米は、3月に入ると売れ行きが一気に伸びたため、価格が高騰している。隣の雲南省や貴州省からの米商人が大量に入り、買付けを行っているためだった。
中国西南部では大干ばつにより主要食糧の生産が減少し、現地の市場が打撃を受けている。現在、雲南省の秋まき作物の収穫はほぼ絶望的となり、食糧不足人口は700万人を超えた。需要を満たすため、他の地方からの買付け量が増加し、全国の米価格の上昇が予想される。
西南部の干ばつ地区の食糧総生産量は全国の約16%を占めており、食糧主要生産区ではないと言え、現地の食糧市場への影響は少なくない。稲は雲南省で第一の生産量を誇る作物であり、全省人口3分の2の需要を満たしていたが、収穫が期待できなくなった今、これまで品質が劣ることから重視されたことのない重慶米の需要が急増している。
重慶市盤渓で食糧と食用油の卸売市場を経営している周さんによると、最近市場にやってきた新しい商人はもっぱら米を買付け、雲南や貴州などの干ばつが深刻な地区で販売しているそうだ。これらの商人たちが大量に米を買付け、精米場に入荷、加工を依頼しているようだ。
ある精米場の責任者の話では、最近、雲南・貴州の商人から依頼された米加工の量は精米場の全加工量の約半分を占めるようになった。自分のところで加工した米は、以前は近隣地区に販売しており、雲南・貴州のような遠い地方へ販売したことはなかったという。
一体どれほどの量の米がこの商人たちにより遠方へ持ち出されているのだろうか。詳細なデータはないが、ここ10日ほどでこの市場の米価格は全て上昇しているという。
調査によると、盤渓市場で最近価格が上昇している米は地米とは限らないらしい。なぜなら国家が調査した主生産区2010年産の米の価格は湖北米、東北米の2大外来主力品種も上昇しているからだ。
この他、白糖、生花、茶葉、薬品などの価格も共に上昇しているという。
雲南省は中国第2のサトウキビ栽培基地で、砂糖生産量は2位である。今年、雲南省産サトウキビ生産量は450万トン減。昨年と比べると30%近く減少している。この影響を受け、北京の白糖価格はすでに1トン5千400元に達し、最高値に近い。北京の菓子メーカーは、しばらくは値段を上げる予定はないが、砂糖の価格が上昇し続ければ月餅などの中秋商品の価格に影響が出る可能性があると伝えている。
西南地区は漢方薬の重要な生産地でもある。干ばつにより薬材価格も上昇している。
広東省広州市の清平薬材市場では雲南省特産の「田七」が20数年来最大の高騰を見せ、日ごとに価格が変わっている。これほどの高騰は初めて、と市場内にある雲南田七直売店の李さんも驚いている。昨年秋から「田七」の価格は上がり続けており、通常500グラム50元から60元の間だが、今は230元にまで上昇している。この他、「黄連」も40元から90元まで価格が上昇している。
この他、雲南省では300万畝(約200ヘクタール)近い茶畑が被害を受け、うち5万畝は茶樹が枯死した。春茶の生産量減少は雲南茶葉の卸売価格を3割以上上昇させている。
南方茶葉市場で営業している茶商の陳さんの話によると、昨年のプーアル春茶は500グラム8元。しかし今は500グラム20元以上でなければ売ることができないという。また、大益7542(大益プーアル茶の有名品のひとつ)は昨年の1200元から2300元に値上がりしており、手に入りにくい品物になっているそうだ。
北京東方艾格農業コンサルタント会社ヘッドアナリスト陳樹尹氏は、このまま干ばつが持続すれば、西南部や西部の一部農業生産が大きな影響を受け、6月以降の物価の動きに影響が出る可能性があると指摘している。
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