エメル・アカン(Emel Akan)は、英文版「大紀元時報(TheEpochtimes)」のホワイトハウス常駐記者として、初めてエアフォースワンに搭乗し、トランプ大統領の出張を取材。その貴重な体験を詳しく紹介する。
アカン記者は2018年からホワイトハウスを担当し、トランプ大統領の第1期政権、バイデン政権、そしてトランプ大統領の第2期政権を取材してきた。
3月28~30日にかけて、アカン記者はフロリダ州への出張に同行し、彼女の視点から見た大統領の様子を記録した手記を共有した。
ホワイトハウスには、大統領と同行する選ばれた記者団が存在する。この機会はすべての記者に与えられるわけではない。
今回の出張では、アカン記者が「エアフォースワン」内で行われた非公式の記者会見(Press Gaggle)で直接大統領に質問する機会を得た。
エアフォースワンでの体験
フロリダに向かう途中、トランプ大統領は記者席に短時間立ち寄ったが、滞在時間はわずか2分間だった。
一方、ワシントンに戻るフライトでは、大統領は記者たちと12分間過ごし、すべての質問に答えた。
帰路の途中、アカン記者は最初に大統領に質問する機会を得た。イランとの核計画が進展しない場合、大統領が数週間以内にイランに対して二次関税を課す可能性について尋ねた。
「私は他の選択肢よりも合意に達することを望んでいる」と大統領は答えた。「この飛行機にいる全員がそれが何であるかを知っていると思う。それは良いことではなく、私はそれが好きではない」
続いて、アカン記者は中国企業がロシアの石油を購入することで制裁を受ける可能性について質問し、大統領はアメリカが他国のロシア産石油購入を制裁で阻止する意向を示唆した。
大統領はベネズエラの例を挙げ、「中国は船を撤去し、去った」と指摘した。
「彼らはそこに2隻の船を持っていたが、船は去ってしまった」と大統領は述べた。「彼らは何も積んでいない船で戻ってきた。リスクを冒したくないのだ」
大統領は、これらの問題を真剣に取り扱っていると強調した。
「我々は遊びをしているわけではない」と大統領は付け加えた。
貴重な経験
アカン記者はこの貴重な経験について「直接大統領に向かって質問できる経験は非常に忘れ難い」と語った。
トランプ政権の第1期と第2期の取材経験の違いについて問われたアカン記者は、「第2期ではトランプ大統領がより熟練し、政府運営やメディア対応についての理解が深まっているようだ。また、この任期中、大統領はより落ち着いている印象を受ける」と答えた。
さらに、第1期のホワイトハウス報道は非常に挑戦的だったと振り返り、「第2期では自分も経験を積み、ホワイトハウスニュースを効率的に報道できるようになった。我々のチームも拡大し、現在ではホワイトハウスニュース専任のスタッフが増えている」と述べた。
アカン記者の手記
初日 エアフォースワンでの体験
アンドリュース空軍基地(JBA)に到着後、数回のセキュリティチェックを経て、大統領の到着を待った。到着が間近に迫ると、舷梯を上がり、飛行機の二階へ移動した。
各記者には指定席が用意されており、筆者は最前列の席に案内された。座席はビジネスクラスに似た快適な仕様である。
荷物を置いた後、大統領が乗る「マリーンワン」(Marine One)の到着を待った。大統領が降り立ち、搭乗する様子は実にクールであった。彼はすぐには質問に応じず、飛行機を指さして、後で答えることを示した。
「急げ、急げ、急げ」という指示が飛び、記者団は急いで飛行機に乗り込んだ。機内に足を踏み入れた瞬間、エアフォースワンのエンジンが始動した。その動きは迅速で効率的であり、まさに興味深い体験であった。
初めてエアフォースワンに搭乗する者にはサプライズが用意されている。経験者の記者たちは、乗務員に初搭乗であることを伝えるよう勧めた。そうすれば、記念証明書が贈られるとのことである。
搭乗ルールの一つとして、エアフォースワンの近くや機内での写真撮影は禁止されているが、遠くからの撮影は許可されている。そのため、地上にいる間に少し距離を取り、エアフォースワンを背景に写真を撮った。
機内で提供された食事は大統領と同じもので、非常に美味であった。短距離フライトだったが、着陸直前に大統領が記者席へ来るとの知らせがあり、記者たちはすぐに撮影や質問の準備を始めた。しかし、気流の乱れがあり、立っていることすら困難で、「少し怖い」と冗談を言う者もいた。
やがて大統領が姿を現し、いくつかの質問に答えた。その直後、飛行機は着陸した。飛行中も揺れが続いたが、大統領は終始ユーモアを忘れなかった。
「もうすぐ着陸するから座りなさい。君たちが怪我をするのは困るよ。私は『フェイクニュース』が好きだからね」と彼は冗談めかして言った。
鋭い質問はなかったが、大統領が記者たちの前に現れたことに皆が喜んでいた。それこそが、この旅で最も価値のある瞬間であった。着陸の数秒前、ようやく席に座ることができた。
着陸後、大統領の降機を見届けた。大統領が車に乗り込むと、スタッフが「急げ、急げ、急げ!」と叫び、記者たちをバンに乗せた。ここで重要なのは、高いヒールを履かないことである。そうでなければ、本当に走れない。
急ぐ理由は、大統領の車列に追いつき、同行するためである。スタッフは決して待つことなく、遅れた者は容赦なく置き去りにされる。
記者団は大統領と共にマー・ア・ラゴへ向かい、10~15分待機した後、ホテルへ送られた。

第二日 パーム・ビーチ
朝7時、ホテルを出発し、マー・ア・ラゴへ向かった。セキュリティチェックを通過後、バンの中で1時間以上待機した。大統領の車列がマー・ア・ラゴを出発し、トランプ国際ゴルフクラブへ向かったため、記者団もそれに続いた。
大統領の車列に従うのは非常にユニークな体験であった。制限速度が時速30マイルの道路を、時速60~70マイルで走行した。シートベルトをしっかり締める必要があった。
その後、図書館で待機し、ホワイトハウスから昼食が提供された。
待機中、大統領が自身のソーシャルメディアにフィンランド大統領とのゴルフ写真を投稿した。その後、午後4時頃に大統領の車列がマー・ア・ラゴへ戻り、記者団もそれに続いた。
この日は公開イベントがなかったため、ホテルへ戻り、夜には記者仲間と夕食を共にした。
第三日 ワシントンへ帰還
朝午前6時40分、荷物をまとめ、チェックアウトを済ませた。
その後、再びマー・ア・ラゴへ向かい、1時間以上待機した後、午前9時頃にゴルフクラブへ移動した。昨日と全く同じ行動の繰り返しであった。
短時間のゴルフクラブ訪問の後、記者団は図書館で約3時間待機し、昼食を取った。図書館は静かで、読書や仕事に適した環境であった。
その後、再び通知があり、急いでバンに戻るよう指示された。記者たちは大統領が記者会見を開くと期待していたが、結局そうではなかった。
大統領がゴルフを終えた後、マー・ア・ラゴに戻り、バンの中で数時間待機した後、最終的に空港へ移動した。
空港到着時、大統領と話す機会はなかった。彼が直接搭乗したためである。しかし、飛行中に大統領は突然中央エリアに現れ、記者の質問に答えた。これは実に素晴らしい瞬間であった。
帰路、乗務員が初めてエアフォースワンに搭乗した者に封筒を配布した。その中には、「エアフォースワン」のロゴが印刷されたM&Mチョコレートなどの記念品が入っていた。後日、エアフォースワンのフライト証明書も送られる予定である。
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