ウクライナで「神韻公演」難航 大統領に米国会議員が書簡、支持表明

2010/05/29 更新: 2010/05/29

【大紀元日本5月29日】世界四大陸100以上の都市を席捲し、3つの分団で巡回公演を行っている「神韻芸術団」(本部ニューヨーク)の公演がウクライナ南部の都市オデッサ(Odessa)で難航している。5月28日に予定されていた公演が、中国大使館の圧力により直前にキャンセルされた。米ラッシュ・ホルト下院議員など複数の議員はウクライナ大統領に書簡を送り、中国当局の圧力に屈しないよう求めている。

海外の華人アーティストで構成される「神韻芸術団」は、中国政府から独立した民営団体。今や失われつつある中国伝統文化の神髄を、「純善、純美」をテーマに再現することを目指し、中国共産党管轄下の中国大陸とは異なる文化と芸術を表現している。世界各地で行われている公演は中国当局からの圧力を頻繁に受け、今年1月にも香港公演が開演を目前にキャンセルされた。理由は、技術スタッフの入国ビザが却下されたためだった。

ウクライナ大統領に書簡を送り、神韻芸術団に対する公正な処遇を求めたラッシュ・ホルト米下院議員(大紀元)

ウクライナのオデッサ市で28日に予定されていた「神韻公演」。同国外務省は直前になって団員の入国ビザの交付を却下し、理由については説明しなかった。

ウクライナ政府筋の情報によれば、中国大使館が同国首相や外務省、国家安全部に書状を送り、同芸術団の公演阻止を要求したという。その書状を実際にみたという主催プロモーターの代表ヴェトルヤク氏によると、「神韻の公演は、絶対に許さない」という中国大使館の強硬な文言があったという。

去年4月にも、同芸術団はウクライナで2回公演を行う予定だったが、中国当局の圧力により実現できなかった。

中国当局の圧力に屈したウクライナ政府の対応に、米国議員のほか、欧州議会のスコット副議長や、ウクライナの複数の下院議員も政府関係者に書状を送り、公演を支持する意向を示し、民主の理念を尊重して中国当局の圧力に応じないよう求めている。

主催プロモーターの最高責任者ウェトルコ氏は、2008年、米国ブロードウェイで神韻芸術団の公演を鑑賞して感銘を受け、ウクライナでの公演プロモーター業務を引き受けたという。

同氏は20数年間、ミュージシャンの育成に携わり、各種の公演プロモーター業務を行ってきたが、「神韻公演」は通常の公演と異なり、「更なる高い精神の境地を表し、神聖と言っても過言ではない」と高く評価している。

オデッサ市内には神韻公演の巨大な広告が林立している。会場のチケット販売責任者は、「人々は強い興味を示している。これは地元で最も人気のある公演だ」と語り、販売は好調だと話した。ファッションデザイナーのクジィナーさんは本紙の取材に、「この公演を2年間待っていた。いかなる政治的な要因も、公演に影響を与えてはならない」と語った。

(翻訳編集・叶子)
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