米紙ワシントン・ポスト9日付は、ロシアから攻撃を受けているウクライナでは、同国と戦略パートナーシップを結んでいる中国が強力な支援を行っていないことに失望感が広がったと伝えた。
報道によると、ロシアが侵攻した後、ウクライナ政府は、中国の「近代的な軍隊の構築に貢献した国として」中国に助けを求めた。
「ウクライナは長年にわたり、中国発の国産空母、中国海軍の対ミサイルレーダー技術、高度なジェットエンジンなど、他国では手に入らない重要な軍事技術を中国側に提供した。また、ウクライナは、トウモロコシやヒマワリ油などの農産物を中国に供給する重要なサプライヤーでもある」
中国当局はいまもロシアを非難していない。同紙は、中国のロシアへの依存度はウクライナとの関係より高いことを反映したとの見解を示した。また、ウクライナが近年、欧州の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)への加盟を目指しているため、中国当局は同国と距離を置くようになったと指摘した。
ウクライナの専門家は同紙に対して、ゼレンスキー政権は現在もロシアとの停戦に向けて中国が介入することを望む一方で、2月初め、中露両国が共同声明を公表してから、同政府の中国側に対する「信頼が大幅に低下した」と述べた。
中国の王毅外相は7日の記者会見で、ロシアは中国の「最も重要な戦略パートナーである」と強調し、ロシアの行動を「侵攻」であると認めることを拒んだ。同外相は、ロシアとウクライナが対立する原因は米国とNATOにあるとしたが、「各国の主権や領土保全を尊重し保障しなければならない」と述べた。
ワシントン・ポスト紙によると、中国とウクライナは旧ソ連の崩壊後、協力を深化してきた。1989年、中国当局が民主化を訴える学生や市民を武力で鎮圧したことで、西側諸国から武器を購入できなくなった際、ウクライナは中国当局に高度な軍事技術を提供した。ロシアは競争上の理由で中国に軍事技術を提供しなかった。
中国政府系メディア「環球網」は2014年1月の報道で、「ウクライナがなければ、中国は国防上の成果を得られなかっただろう」との見方を示した。
中国とウクライナは2011年に戦略的パートナーシップを締結した。
(翻訳編集・張哲)
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