【大紀元日本1月7日】「血液中のガン細胞を見つける」という新たなガン検査用マイクロチップが発明された。10億個の健康な血液細胞の中から、たった一つのガン細胞を見付け出すことができるという。
ボストンの科学者が発明したもので、米ヘルスケア大手のジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson)は、1月3日、このチップを市場に導入するために乗り出すことを発表。
マイクロチップは、ヘアブラシの先のような7万8千本の微小な毛で覆われたスライドグラスに似ている。抗体が毛の表面に施されており、ガン細胞に結合する。血液を通すと、正常な細胞はピンボールのようにはじき出されるが、ガン細胞はくっつく。染料溶液を施すことで光らせ、これらの数を数えたり採取して研究することを可能にしている。、
研究員の一人でマサチューセッツ総合病院の癌センター主任でもあるダニエル・ハーバー(Daniel Haber)博士は、「液体による生検(liquid biopsy)とでも言いましょうか。サンプルを採取するときの痛みを避けることができ、定期的なスキャンに比べ、患者の病状を効果的に把握することができる」と述べている。
現在、針生検によるガンの診断が一般的だが、その方法では腫瘍の成長の起因となる遺伝子や経路を特定できない。
血液中からガン細胞をみつける検査CellSearch
また、市場で見られる唯一の血液の中から腫瘍細胞を発見できる「CellSearch(Johnson & Johnson社のVeridex部門が開発)」は、細胞数を数えるだけで、全体の細胞をとらえて分析し医師の処方に役立てることはできない。
通常、ガン治療は薬物や放射線療法で始まり、2カ月後にCTスキャンで腫瘍の縮小状況を検査する。患者によっては、1つか2つのの治療法を試すくらいしか余生が残されていないため、迅速で成功率の高い対処法が求められる。
2007年、ボストンの研究チームがマイクロチップの研究成果を発表し、医学界から大きな注目を浴びた。この新たな方法はCellSearchより効果があり、細胞をそのまま捕らえる。
必要な血液はスプーン2杯分に過ぎず、繰り返して血液検査を行うことで治療効果が分かり、効き目のない薬を直ちにやめて新しい処法を施すことができる患者に選択の余地を与える。「迅速に薬物の効き目の有無を判断でき、非常に意義のある開発だ」と、ハーバー氏は語る。
同検査方法で血液検査したところ、驚いたことに、前立線ガンの患者だけに見られると思われていた細胞が、実際は、男性患者全体の3分の2から見つかった。
今後、血液によるガン検査方法が普及すれば、血液を通しての転移の可能性を探ることができ、乳房、前立腺、大腸、肺など多種のガンの診断と治療に大いに効果を上げることが期待できる。
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