【大紀元日本2月6日】中共18大の開催を控え、中共の権力中枢が大きくシャッフルされ、太子党らが全面的に権力を掌握するようになりつつある。
しかし同じ太子党の出身であり、18大で中共中央政治局常務委員会入りの見込みがあるとされる重慶市トップ薄煕来は今、周辺化され、とりわけ手先の公安局長の転職により前途は急に暗くなり、もしくは失脚するかもしれない。
そもそも18大でより一層の飛躍を実現するため、薄煕来は重慶市で革命の歌を熱唱し、毛沢東理論を学習するようにと提唱し、同時にいわれるマフィア組織取り締まりで世間の注目を集めていた。
その一方、思想と理論的には毛沢東の文化大革命時代への後退や、マフィア組織取り締まり名義でライバル勢力を倒すなど、薄氏の「唱紅打黒」運動に対する物議と批判は今もなお厳しい。
そのため薄煕来は最近「唱紅打黒」をやめて、その悪影響を挽回するために、民生重視などへとカードを切り替えた。しかしその効果がそれほどないうちに、薄氏の腹心の手先である王立軍公安局長が転任させられる羽目になった。
中共重慶市委員会は2月2日、王立軍副市長は今後、公安局長を兼任せず、科学教育分野を担当すると発表した。
通常、重慶市内の人事異動であればトップである薄煕来の権限内あるいは薄氏の意志によるはずのものだが、今回の人事異動はかなり通常の手段からは外れたものである。
もし薄煕来が自ら王立軍をもっとも実権ある公安局長の座から降ろしたとすれば、自分たちのマフィア組織取締運動が間違ったことを反証することになるし、ライバル勢力を倒すために多大な貢献をしてきた腹心に対する裏切りにもなってしまう。
無論、物議の多い職務からいったん外し、臥薪嘗胆して更なる再起と飛躍を目指す可能性はないとは言えないが、複数の情報から判断すれば、この可能性はきわめて低い。
第一、海外の中文系メディアによると、中共中央規律検査委員会はすでに王立軍が在任中に犯した拷問罪や腐敗疑惑などの問題について立案調査を始めたという。それと同時に、王立軍はすでに実名で薄煕来の数々の汚職問題を摘発した。
第二、中共の長老で元全人代委員長であった喬石氏の提案により、中共中央規律検査委員会が王立軍の過失を追ったため、薄氏は公安局長から転職されたという。
第三、1月20日、解放軍の重慶警備部隊が、重慶市から贈与された毛沢東の詩に因んだ「胸中に百万の兵士あり」という彫刻群を盛大な式典で受け入れたが、しかし主要指揮官らはみな欠席した。この反応は、重慶警備部隊を含め、軍内部の高官らはもはや薄煕来の18大での常務委員入りが不可能だと知り、物議多い彼に自ら一線を画したものと読まれている。
第四、薄煕来の腹心の手先に代わって、公安局長という重要なポストに共青団出身であり、胡錦濤の腹心と思われる重慶江津区書記の関海祥氏が赴任することになった。
「犬を殴っても主人を看るべく」という中国のことわざがあるが、英雄とされていた王立軍の突然の職務変更は、いかなる視点から見ても異常である。これは王立軍本人というより、その主である薄煕来の常務委員入りが不可能、または内部闘争による失脚の兆しを見せているにほかならない。
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