【大紀元日本1月30日】大紀元傘下の中国情報誌『新紀元』は北京の消息筋の話として、3カ月間の調査を受け、逮捕された各行政単位の政法(司法・公安)委員会幹部が453人に上り、その中で公安局は392人、検察機関は19人、裁判所は27人、司法庁(局)は5人、それ以外の関係者は10人だと伝えた。このほか、12人の自殺も報じられている。
こういった動きは習近平総書記ら新指導部が政法委に対する締め付けだとみられている。これらの情報は元政法委高官が胡錦濤主席と江沢民前主席に提出した報告書によるもので、胡・江に、習総書記と王岐山紀検委書記の取り締まりにブレーキをかけさせるのがねらいだと消息筋は証言した。
政法委の失脚幹部の中、愛人や収賄で逮捕された湖北省元政法委書記・呉永文氏のケースがもっとも注目されている。彼は、この中で最高の官職にあるのみならず、指導部における闘争にもかかわっており、とりわけ元重慶市トップの薄煕来氏や元政法委書記・周永康氏との関係が問題となっている。
この関係は呉氏が管轄する湖北省のある事件で浮かび上がっている。昨年、同省武漢市で飲食店を経営していた徐崇陽さんは陳情で逮捕され、北京市公安局と湖北省公安庁の者から拷問を受けた。警官らは彼に①米国の情報機関に情報を提供した②米国が彼を通じて当時の共産党中央弁公庁主任・令計劃氏に資金を提供し、そして令氏は彼に薄煕来氏に関する資料を提供し、彼がそれを元に薄氏を批判する文章を書いた③彼が法輪功学習者である、という3つの罪を認めさせようとした。
3つの罪をつなげれば、胡主席の側近である令計劃氏は米国という「敵対勢力」と手を結び、薄氏を陥れようとしている。その中で、法輪功もかかわっている。この「大罪」が成立すれば、薄氏のそれまでの容疑は「濡れ衣」となり、胡主席への逆襲にもなる。法輪功に着せる濡れ衣もさらに一枚増える。「一石三鳥」の効果を北京市公安局と湖北省公安庁が狙っていた。
湖北省公安庁を管轄するのは省の政法委で、当時のトップは収賄疑惑の呉氏。北京市公安局は中央の政法委が直接目を配り、そのトップは周氏だった。逮捕された徐崇陽さんは最近釈放され、彼に罪を被せようとした呉氏は逮捕されるという結末になった。
習総書記が就任後、法治を掲げ、腐敗撲滅を繰り広げている。これによって、党内の権力闘争を制し、周氏やそれに連なる江沢民一派の牙城ともなる政法委にメスが入る。政法委はここ10数年で絶大な権利を手にしたうえ、軍費を上回る巨額な資金(7千億元)を握り、国民を抑え込み中国の政治の手綱さえも手に入れた。習総書記が法治を掲げる理由も、この「法外の帝国」におびえを感じたことにあり、法治や腐敗撲滅を通じてこの帝国を解体させようとしている、と消息筋は指摘した。
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