中国の習近平指導部は、司法や警察などを統括する政法委員会(政法委)に対して汚職取締りを強化している。共産党中央政法委が今月16日「第2回整頓会議」を開催してからの11日間、中央から省レベルの約20人の高官がそれぞれ取調べを受け、党籍剥奪、または双開(党籍剥奪及び懲戒免職)などの処分を受けた。
取り締まりの対象となったのは、党中央「610弁公室(法輪功迫害専門機関)」の副主任を務めた彭波氏、山西省元副省長で同省公安庁の元庁長だった劉新雲氏、遼寧省元副省長で同省公安庁庁長だった薛恒氏らだ。
習政権の政法委システムに対する腐敗撲滅の計画表によれば、第1回は今年前半からはじまった市・県レベルの幹部への取り締まりだ。現在進行中の第2回は8月から10月末まで続き、中央・省レベルの政法委の幹部を対象にする。最終回は来年3月の両会(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)の開催まで続く。
16日に開かれた全国第2回政法委システム整頓会議で、中央政法委秘書長(事務局長)の陳一新氏は、今回の反腐敗キャンペーンの目的は、「党に忠誠でなく、不誠実な両面派(言動に裏表のある人)」を粛清し、「確固たる政治的忠誠心を誓わせることだ」と述べた。
共産党中央規律検査委員会は17日、これらの汚職幹部の容疑について公表した。当局は元高官について、「政治の詐欺師」「規律や法律を踏みにじり、権力と金銭の裏取引に浸った」「党に不誠実」「面従腹背の両面派」「司法活動に不正介入した」などと非難した。
法輪功情報サイト「明慧網」の情報では、取り締まられた元高官全員は、法輪功学習者への迫害に関与していたという共通点もある。
官製メディア「中国新聞週刊」は、中国人民大学の反腐敗および廉政政策研究センターの毛昭暉主任の話を引用し、「今年後半から来年前半までは、反腐敗運動のピークシーズン」「(当局は)政治生態を浄化する狙いだ」と報じた。
これまでは共産党内の江沢民派閥が政法委システムを掌握していた。
(翻訳編集・叶子)
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