【大紀元日本6月18日】中国環境保護部が4月に発表した74都市の第1四半期の大気品質評価によると、環境汚染度ワースト10のうち、河北省の7都市がランクインし、同省石家荘市は最下位になったという。調査は同省の環境汚染の深刻さを浮き彫りにした調査結果だが、その原因を探るため、国内紙・南方都市報の記者は同省で現地取材を行った。
河北省の産業は鉄鋼、建材、石化、火力発電など汚染物質排出量の高い工業が集中している。発電や鉄鋼業に使用される石炭の消費量は国内で最も多く、昨年の石炭消費量は約3億トンで、中国全体の10%を占める。また、河北省の大気汚染物質はスモッグや酸性雨の原因となる超微粒子状が特徴で、窒素酸化物の排出量は中国で最も多く、二酸化硫黄は全国で2番目に多い。
地理的な原因もある。汚染が深刻な都市の多くは省内最高の山である太行山を背に分布しているため、汚染物質が外に排出されにくい。
さらに、同省は1500万台の自動車を保有しており、その多くは排ガス国家基準を満たしていない。ほかに管理不足もあり環境汚染を加担している。
同省の政府幹部の話によると、大気汚染を改善するうえで一番大きな問題点は資金不足だという。汚染対策は3年間で3兆円が必要になると推計されている。
国務院発展研究センターの副所長・李佐軍氏は、同省の環境汚染について、GDPの成長を重視するあまりに、石炭、鉄鋼、石油などの重工業、化学工業が集中したためと指摘した。
しかし、現在の産業構造の転換は短期間でできるものではない。石炭の消費量を早急に抑えると、経済の後退につながりかねないなどの問題点があり、改善にはまだ時間がかかりそうだという。
(翻訳編集・王知理)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。