【大紀元日本8月22日】元重慶市トップの薄煕来被告の初公判が始まる数時間前の22日早朝、中国の捜索エンジン・百度は、「薄煕来 臓器摘出」「薄煕来 生体(臓器)摘出」などの検索を解禁した。大紀元や新唐人テレビ(本部・ニューヨーク)の薄被告の臓器狩りをめぐる報道が検索結果の上位に出ている。裁判にあたり、薄被告を支持する保守派の動きをけん制する狙いがあるとみられる。
「薄煕来 生体(臓器)摘出」を検索すれば、最初に出てきたタイトルの説明文には、「消息筋の話によると、法輪功が告発した生体からの臓器狩りは『ある程度』事実である。しかしほとんど知られていないのは、薄煕来の妻の谷開来が直接、世界の臓器売買ネットワークの構築に関与し、運用にかかわっている」と表示されている。
2番目のタイトルの説明文も「薄煕来が遼寧省長を務めていた時期、遼寧省に悪名高い『生体臓器狩り』事件と『馬三家労働教養所』事件が発生した。中国遼寧、馬三家労働教養所、蘇家屯収容所がすぐに世界の注目の焦点となった」となっており、薄被告が深くかかわったとされる法輪功学習者からの臓器狩りを暴く文面が中心となっている。
また、「薄煕来 臓器摘出」を百度にかけると、最上位は新唐人テレビの番組「血まみれの臓器狩り 著者がノーベル賞にノミネート」が表示される。2009年に出版された『血まみれの臓器摘出』はカナダの著名人権派弁護士デービッド・マタス氏とカナダの元内閣大臣のデービッド・キルガー氏の共著で、中国の監禁施設で法輪功学習者が生きたまま臓器を摘出・売買されている実態を告発している。マタス氏は、2008年までに、少なくとも6万5000人の法輪功学習者が強制臓器狩りで命を失っていると推計した。
「薄煕来 臓器摘出」が解禁されたと同時に「王立軍 臓器摘出」も検索可能となり、同様な検索結果が出ている。一方、薄・王の名前をその後ろ盾となる周永康・江沢民に変えると、「関連の法律法規政策により、一部の検索結果は表示されない」と従来の表示が確認できる。
なお、こういった情報の解禁は今回が初めてではない。昨年9月末、薄被告が党籍剥奪され、司法機関に身柄を送られた前後も一時解禁されていた。薄被告を支持する江沢民ら保守派がアクションを起こすことをけん制するために、指導部は切り札をちらつかせていることが窺われる。
ただ、指導部も臓器狩りに関する情報の全面解禁を望んでいないはず。「この星で未曾有の邪悪」とマタス氏に非難されたこの悪行が暴かれることは中国共産党政権の正当性に直撃するからだ。政権維持と対抗勢力へのけん制、薄被告の裁判がこの駆け引きのなかで始まっている。
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