【大紀元日本12月20日】中国湖北省武漢市にある5つのゴミ焼却発電所から毎日、有害粉塵600トンが大気に放出されているという。ガンによる死亡者が急増するなど近隣住民への健康被害の深刻さを、国営中央テレビ(CCTV)の経済番組「経済半小時」が伝えた。
武漢では2012年までに5つのゴミ発電所が建設され、それまで全て埋め立て処理してた武漢全市の生活ごみが、焼却処理・発電に転換された。 番組はその中の一つ、漢陽区鍋頂山ゴミ焼却発電所を調査した。同発電所は2006年に着工、2012年に完成bした。操業後、毎日1500トンの生活ゴミが焼却されている。
同発電所は市内を流れる長江最大の支流漢江と1.5キロ、市の繁華街から3キロしか離れていない。周辺数百メートル内に団地や住宅が立ち並び、少なくとも数万人が生活している。しかし人口が密集する住宅地、商業地でゴミ焼却施設の建設は禁止されている。
2008年に完成した芳草苑団地もその一つ。ゴミ発電所に隣接するこの団地には500世帯計1500人が生活している。住民は施設操業開始後、ガンの死亡者が急増し、今年だけでも8人がガンで死亡したと取材記者に話した。「マンションを購入するとき、ゴミ焼却施設の建設を知らされなかった」とある住民は怒りをあらわにした。
さらに発電所が放った刺激臭で、多くの住民は「息が苦しい」「目が痛い」「呼吸器疾患やアレルギー性皮膚炎を患う子どもが多い」と訴えた。多くの家庭が子どもを親戚の家などに避難させる対策を取っている。「ここに戻るとすぐにアレルギー症状がひどくなる」と状況は深刻だ。
武漢市は住民の移転費16億元(約270億円)を漢陽区に拠出したが、現在資金の使途が不明となっている。
ゴミ焼却施設の問題は刺激臭だけに留まらない。粉塵の違法処理も問題視されている。同市環境保護局の公式サイトによれば、5つの施設からは毎日計600トンの粉塵が飛散しているが、いずれも国が定める固体化処理を行っていない。
CCTVの報道は「ゴミ焼却の際に発生するダイオキシンの90%はこの粉塵に含まれており、その毒性はヒ素の900倍」としている。
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