13日、中国全国人民代表大会(全人代)記者会見が開かれた。会見中、「米メディアの記者」と自称する女性は内容のない質問を40秒以上もすることに、隣にいる別の女性記者は苛立ち、白目をむいてあきれた顔で彼女をにらんでいた。その様子はテレビで中継され、瞬く間に話題となった。
中国国内インターネット上では、白目をむいた女性記者について、「われわれの声を代弁した」と称賛の声が殺到した。一方、一部のネットユーザーは、中国当局の姿がちらつく偽海外メディアにも注目した。
国内インターネット上で投稿された当日記者会見の動画では、紅い服を着ている女性記者が冒頭で自己紹介をした後、役人風の口調で形式的に長い質問をしていた。その隣に立っていた青い服を着た女性記者は、左手であごを支えながら、紅い服を着た記者のほうに視線を上下に走らせ、白目をむき、嫌悪感をあらわにした様子が写っていた。
青い服を着た記者は、上海に拠点を置くメディア「第一財経」の梁相宜記者で、赤い服のほうは「全米テレビ」の張慧君記者。
この動画がソーシャルメディアに投稿された後、瞬く間に拡散された。ネットユーザーは、今年の両会(全人代と全国政治協商会議)で、梁記者の表情が最も「素晴らしい光景だ」と絶賛した。
ソーシャルメディア「微博」で、梁記者の個人アカウントでは、フォロワーの数が数千人から18万人に急増した。ネットユーザーも相次いで、梁記者に対して支持のコメントを書き込み、中国政治体制への不満を漏らした。
「白目をむいたあなたは、われわれ若い世代の中国政治に対する嫌悪感を代弁してくれた」
「あなたのあきれた顔のおかげで、胸のつかえがとれて、スカッとした!」
また、記者会見の現場にいた他の記者とみられるユーザーは「海外メディアと自称する全米テレビの女性記者は、自分の名前や肩書きを全部紹介して、その質問も記者会見の司会者よりも長かった。現場にいた他の記者たちはみんな呆れていた。でも、勇敢に不快感をはっきり示せたのは彼女(梁記者)だけだった!」と、梁記者の率直な姿勢を称えた。
新女神,梁相宜。 pic.twitter.com/vdgAeGsc0L
— 苏玺 (@NealSun) March 13, 2018
ネット上では、梁記者と張記者の様子をネタにした書き込みが相次いで投稿された。
ネット通販サイトでは、梁記者の顔をデザインしたTシャツやスマートフォン用ケースがすでに販売されている。
海外中国語メディア「中国数字時代(チャイナ・デジタル・タイムズ)」によると、中国当局はすでに、メディア関係者に対して、同事件についてネット規制を指示した。13日午後には、両記者の様子を写すネット上の動画がすべて削除された。
また、一部の海外メディアによると、当局は梁記者に対して取材許可証の取り消し処分を行った。
一方、米メディアと称しながら、中国語で質問し、中国のことを「我が国」と述べた張記者に、一部のネットユーザーが違和感をおぼえた。ネットユーザーらが調べたところによると、2004年に米国カリフォルニア州ロサンゼルスに登録している「全米テレビ」は中国国営中央テレビとの提携が多く、駐ロサンゼルス中国領事館の後押しを受ける「偽海外メディア」だと指摘されている。
(翻訳編集・張哲)
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