中国でパクリと終わりの見えない戦いが続く生活雑貨店「無印良品(MUJI)」。親会社である良品計画は中国の会社に商標を侵害されたとして訴えられた。一審裁判で同社が敗訴し、現在控訴中。複数の中国メディアの報道を受け、中国のネット上で物議をかもしている。
黒龍江省や山東省など中国の地方都市でこのほど、無印良品にそっくりのパクリ店舗が相次ぎオープンし、注目を集めた。その名は「無印良品Natural Mill」。店舗はタオルなどを製造・販売する中国の企業・北京棉田紡織品有限公司(以下「北京棉田」)が展開している。
25日付香港紙「蘋果日報(アップルデイリー)」によると、「無印良品Natural Mill」店は、店の装飾から商品や値札まで日本の「無印良品MUJI」と極めて高い類似性を持っている。しかし、商品の品質に関する顧客の評判は悪い。
パクリ店舗についてネットでは「品質は全然ダメ、ゴミだ」「こんな立派なストアがなんとパクリ!」「露骨すぎるパクリ」「恥知らずにも程がある」「本物が偽物に訴えられて負けたなんて信じられない」「買い物したばかり、なんかおかしいと思ってた」「本物を支持しよう」とパクリを批判する書き込みが多く寄せられた。
商標権めぐる苦戦に強いられた無印良品
タオルや寝具など織物(第24類)における「無印良品」との商標権が2001年に中国の海南南華公司に登録され、2004年8月に北京棉田に譲渡された。有効期限は2021年までになる。
良品計画は2001年から、中国で問題の商標権の取り消しを求め、複数回異議申し立てや訴訟を行ったが、いずれも認められず却下された。一審と二審は敗訴、12年に最高裁が「日本側の関連商品は中国市場での知名度を確認できない」として上告を退ける決定をした。
その結果、無印良品はやむを得ず中国市場向けの一部の織物商品の商標から漢字の「無印良品」を取り除き、「MUJI」のみを表示する対策を講じた。
しかし、無印良品はパクリとの戦いは終わることなく、事態は思わぬ展開を見せた。北京棉田および傘下の北京無印良品投資有限公司は昨年、類似商品の販売で商標権を侵害されたとして良品計画とグループ会社である無印良品(上海)商業有限公司を提訴した。
北京知的財産権裁判所は同12月15日、損害賠償など約62万元(1000万円相当)の支払いと実店舗およびネットショップで30日間謝罪文の掲載を命じる判決を下した。良品計画は一審判決を不服として控訴し、裁判は泥沼化の様相を呈している。
中国でのパクリ横行には、知的財産権侵害を放任した中国当局の不作為が主な原因として挙げられる。中国の知財侵害問題は現在、米中貿易戦争の要因の一つとなっていることから注目されている。
無印良品は2005年、中国に進出し、上海で中国初出店となる「無印良品MUJI」店舗を開店した。現在、中国で235店舗を展開している。
(翻訳編集・王君宜)
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