米司法省、千人計画に参加の米教授を起訴 偽りの休暇取得で 

2020/03/11 更新: 2020/03/11

米司法省は3月10日、中国共産党が海外高度人材を招へいする「千人計画」に秘密裏に参加していた米国の大学教授を詐欺の容疑で刑事起訴した。教授は罪を認めている。米トランプ政権は千人計画について、米国の知的財産が中国に渡る窃盗手段とみなしている。

起訴状によると、ジェームズ・パトリック・ルイス博士は、2006~2019年8月までウェストバージニア大学の物理学科の教授を務め、石炭転換技術に応用される分子反応を専門としている。

しかし、2017年7月にルイス博士は「千人計画」に参加し、中国国立研究所の最高峰とされる中国科学院と雇用契約を結んだ。契約によると、ルイス氏は毎年9カ月以上中国に滞在し、3年間で合計80万ドルの給与や手当を受け取る予定だった。同氏は、中国科学院所属の研究者として論文を発表し、科学院に在籍する大学院生に講義を行う。

米司法省によると、ルイス氏は中国科学院での仕事を引き受けるため、ウェストバージニア大学に対して、「妻の妊娠と生まれたばかりの子どもの世話」という虚偽の申告をし、2018年秋から有給休暇を不正取得していた。その間、ウェストバージニア大学からも給料を受け取っていた。

「ルイス氏は公立大学を騙して、中国の科学機関で職務を遂行できるようにしていた」と、司法次官補(国家安全保障担当)のジョン・デマーズ氏は声明で述べた。司法省は、ルイス氏がいつ中国政府との仕事を終えたのか、またどの程度の報酬を受け取ったのかについては明らかにしなかった。

米国関連法によると、中国機関との契約は情報開示および米当局に届け出なければならないが、教授はこれを怠った。

ルイス氏は、刑務所で最高10年の禁固刑、最高25万ドルの罰金が科される。

米連邦捜査局 (FBI) は、 中国の「千人計画」について、参加者が米国で行った研究や得た機密情報を中国に移転し、報酬を得ているとして問題視している。ロバート・ジョーンズ特別捜査官は「これは依然としてFBIにとって重大な脅威であり、最優先に対応しなければいけない脅威だ」と指摘した。

(翻訳編集・佐渡道世)

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