米財務長官 中共AI企業への制裁示唆 「蒸留」問題で調査へ

2026/07/22 更新: 2026/07/22

米国政府は、中共のAI開発に対する審査をさらに強化している。ベッセント米財務長官は21日、トランプ政権が中共の各種AIモデルについて、「蒸留」と呼ばれる手法を使い、米国の大規模言語モデルの成果を無断で利用していないか調査すると明らかにした。事実と確認されれば、米国側は知的財産を盗んだ中国系企業に制裁を科す方針だ。

ベッセント氏はFoxビジネスのインタビューで、米国はオープンソースモデルの発展を支持しているが、知的財産の窃取は決して容認しないと述べた。海外企業、とりわけ中共関連企業が、米国企業のAI成果を模倣してモデルを開発している場合、米国は制裁措置を取るという。

分析では、中共が近年繰り返し掲げてきた「後発でも一気に先行国を追い抜く」という発想の背後には、他者の技術を盗む行為が大きく関わっており、それが米国の強い警戒につながっているとの見方が出ている。

米国情報・戦略研究所の経済学者、李恒青氏は「彼らはすでに、技術を盗むことを恥じるどころか、むしろ誇りにしている。自分たちの優位性だと言っているが、その優位性とは相手のものを盗むことだ。しかも相手が防ぎきれない形で盗むということだ」と指摘した。

ベッセント氏が言及した「蒸留」とは、より高性能なAIモデルの出力結果を利用し、新たなモデルを訓練する手法を指す。無断で他社の商用モデルを直接利用して訓練すれば、知的財産権の侵害にあたる可能性がある。

ロヨラ大学メリーランド校ビジネススクールの副学部長、丁弘彬氏は「これは米国の知的財産を盗用していると言っても、実際に筋が通っている。相手の内容を取り込み、それをもとに少し性能の低いモデルを模倣して作り、それをAIと呼ぶのであれば、実際には盗用にあたる」と述べた。

OpenAIやAnthropicを含む米AI企業は最近、中国系企業が蒸留技術を利用し、極めて低いコストで競合製品を作っていると相次いで指摘している。Anthropicは米国議会に対し、アリババが現時点で確認されている中で最大規模の「蒸留攻撃」と呼ばれる行為に関与した疑いがあると説明した。

ベッセント氏はまた、米国政府が一部の中国系AIモデルの中に、米国の大規模言語モデルに残された「ウォーターマーク」と呼ばれる識別情報の特徴を確認したことも明らかにした。ベッセント氏はこれを「到底容認できない」と批判し、政府が今後数日から数週間以内に調査に着手する方針を示した。

一方、グリア米通商代表も、米国が中共による技術窃取などの不公正な手段を通じて、中国系AI企業を支援し、世界市場の獲得を図っている可能性について、綿密に調査していると述べた。

 

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