ウイルス流行のなかで活発化する中国の軍事的挑発行為 河野防衛相や米議員が批判

2020/04/14 更新: 2020/04/14

河野太郎防衛相は4月13日、東京都内で講演し、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染が拡大する中で、軍事的挑発行為を続けている中国について「極めてけしからん」と批判した。産経新聞が報じた。西太平洋に展開する米軍空母では580人以上の集団感染が起き、即応性が低下するなか、中国人民解放軍の地域活動が活発化している。

統合幕僚監部は10日午後7時ごろ、長崎県の男女群島・南西約420キロメートルの海域を南東進する中国海軍空母「遼寧」などの艦艇6隻を確認した。その後、11日午後4時ごろ、沖縄本島と宮古島の間の海域を通過して東シナ海から太平洋に出た。台湾国防部によると、遼寧の編隊は12日、台湾東部沖から南部海域に向けて南下。中国新華社通信は、同編隊が13日、南シナ海で軍事訓練を行ったと報じた。

防衛省によると、中国海軍の編隊はクズネツォフ級空母「遼寧」1隻、ルーヤン3級ミサイル駆逐艦2隻、ジャンカイ2級フリゲート2隻、フユ級高速戦闘支援艦1隻の計6隻。

遼寧の編隊が来航する直前まで、日米二国間演習が行われていた。海上自衛隊は13日、広報アカウントで、海上自衛隊の護衛艦「あけぼの」と米海軍の最新型の実質空母「アメリカ」は、東シナ海で10、11日に日米合同演習を行ったと公表した。両国は戦術能力の向上と米海軍との協力関係の強化を図ったという。

統合幕僚監部によると、航空自衛隊機は2019年、領空侵犯の恐れがある航空機に対して947回の緊急発進を行い、対象機は中国が71%、ロシアが28%だった。また、2020年1~3月にかけて、中国機に対応するため152回の緊急発進を行った。

報道によると、河野防衛相は今回の講演で「国民は、感染拡大の中でも、中国が南西諸島に軍事的な圧力をかけ続けていることを認識してほしい」と述べた。

米メディアは、中共ウイルスの集団感染が起きた米原子力空母セオドア・ルーズベルトの乗組員1人が13日、死亡したと報じた。同空母の乗組員4800人のうち、約12%に新型コロナの陽性反応が出ている。

ウイルス肺炎流行が広がった3月以降、太平洋地域では、民間および軍用中国船の危険行為が目立ってきている。台湾周辺海域では3月19日、海上民兵が操作していると疑われる中国のスピードボート10隻が、台湾沿岸警備隊の船に繰り返し突進した。3月30日には、屋久島650キロメートル西の東シナ海の公海上で、巡回中の海上自衛隊の護衛艦の側面に、中国漁船が衝突した。4月3日には、ベトナム漁船が中国海洋警備隊の船に沈没させられている。

米国超党派議員は10日、こうした連続した中国船の行動について批判する声明を発表した。声明には、共和党のジム・リッシュ委員長、民主党のロバート・メネンデス委員長、共和党のアジア小委員会のコーリー・ガードナー委員長、民主党のエド・マーキー委員長が名を連ねた。

「中国共産党は、過剰な海洋権益を主張するために近隣諸国をあからさまに脅迫している。中国共産党は、国際社会が一丸となって中共ウイルス( COVID-19)の世界的流行と闘っている最中、地域の安定性を傷つけている」と批判した。さらに「米国はインド太平洋全体で航行の自由と経済的機会を確保するために、同盟国やパートナー国を支援しなければならない」と付け加えた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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