7月1日に中国共産党100周年の記念行事が行われている北京では厳重体制が敷かれた。公安、武装警察、私服警察のほか、「朝陽群衆」という名の市民ボランティアが通行人の監視に当たり、マンホールも封じられている。「北京は今、世界で最も安全な場所になった」と揶揄されている。
メインイベントが行われる天安門広場では数日前から、多数の警察車両が待機し、市民がネットにアップした写真には観光客の姿はなく、広場の周辺に障害物が設置され、周辺道路も通行止めになっている。マンホールに溶接した跡があり、開閉することができなくなっている。
「朝陽群衆」の文字をプリントしたビブスを着用した市民が往来する通行人に目を光らせている。「朝陽群衆」とは政府の指示を受けて日頃から市民の行動を監視する朝陽区在住のボランティアのこと。「朝陽群衆」から提供された情報が犯罪の摘発率の向上につながっているとして、正式な治安要員として認められている。
また、爆発事故を防ぐため、天安門広場に近い東城区の一部地域ではガスの供給が止められ、政府が弁当を配達している。
包丁の購入は実名制となっているが、100周年記念期間中、店頭での販売は中止になった。
ロイター通信は情報筋の話として、警察官は1週間前から東城区の各家庭を訪問し、在住人口を調査していたと報じた。
政府はまた、反体制派への監視を強め、反党言論を密告するよう市民に奨励している。
共産党幹部を養成する中央党校の蔡霞元教授はこのほど、ツイッターを更新し、100周年記念は共産党にとって慶事のはずなのに、災難がやってくるかのように怯えていると投稿した。
「銃もハイテクも監視カメラも掌握している共産党は、不満を持つ者を恣意的に逮捕し、彼らのSNSアカウントも閉鎖しまくっているのに、それでも何を恐れているのか」
(翻訳編集・李沐恩)
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