米軍は、東京から南に2500キロ離れた米領グアムに、防空迎撃システム「アイアンドーム」を配備する。7日、ハワイ本拠地の第94軍航空・ミサイル防衛司令部(AAMDC)が発表した。インド太平洋地域で軍事力を拡張させる中国共産党を抑止する狙いがある。
米軍司令部の発表によれば、グアムのアンダーセン空軍基地に「一時的」かつ「実験的」にアイアンドームを配備する。テキサス州や日本の米砲兵部隊が運用するという。この配備は2019会計年度国防授権法(NDAA)に盛り込まれており、「鉄の島作戦(Operation Iron Island)」と名付けられている。
最新式のアイアンドームは、ロケット弾などの砲弾を迎撃するほか、小型のドローンや低空飛行の巡航ミサイルを撃墜する能力も備えているという。発表によると、この迎撃システムは10月中旬にグアムに到着し、配備は11月まで続く。現在のところ実射の予定はないという。
アイアンドームは、イスラエルの軍事防衛企業ラファエル社が開発し、米軍向けは米軍需大手レイセオン・テクノロジーズが共同製造する領空防衛システム。レーダーが対象物を察知するとミサイルが発射され迎撃する。大型トラックで運搬や移動が可能だ。
今年5月、アイアンドームは、パレスチナの原理主義組織ハマスがイスラエルに向けて発射したロケット弾を相次ぎ撃ち落とした。被害規模を抑えたとして、その防衛能力は脚光を浴びた。米軍は2019年、このシステムを2基購入することを発表しており、その1基が試験的にグアムに配備される。
(佐渡道世)
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