全体主義は人々の自由を抑制し、勤労意欲や動機を奪う。資源が豊富で、かつて経済成長が見込まれていたラテンアメリカは、独裁者の出現やポピュリズムの台頭によって貧困化した。大紀元英語版のインタビュー番組「米国思想リーダー」は、ラテンアメリカの自由を取り戻そうと奮闘するアルゼンチン人女性アントネラ・マーティさんに話を聞いた。
アルゼンチン出身のアントネラ・マーティさんは、「アトラス・ネットワーク」のアソシエイト・ディレクターを務める。自由を目指す活動家で、南米全土で意思決定機関との関係を構築してきた。同ネットワークは40年以上にわたり、経済的自由、政治的自由、個人の自由、法の支配、法の下の平等などを推進してきた。
「注目すべきはキューバだ」とマーティさんはいう。62年以上の専制体制が続くキューバでは、「サン・イシドロ」運動と呼ばれる民主主義デモが今年、始まった。自由を求めて、市民は動き始めた。限られた富を独占するキューバ政権に対する問題は、中共ウイルスの蔓延という災禍を経て、際立っていた。マーティさんによると、左翼や左派政党は、民主主義の話を好んで語るものの、独裁政権を支持してきたという。
彼らには、社会主義者、共産主義者、マルクス主義者に見られる偽善があります。今キューバでは、真の自由を求める運動が高まっています。人々は、ただ62年以上も続く支配的な政権を排除したいだけなのです。
さらに、スペインやアルゼンチン、ベネズエラのような独裁政権の国にも、キューバの自由を求めて多くの人々が抗議活動に加わっているという。
キューバ政権は、自由について語る人や、体制に反対しようとする人を投獄しています。ご存知のように、この政権はソ連からすべてを学んでいます。ですから彼らは、人々を黙らせる方法を知っています。この恐ろしい独裁体制を維持するためのハンドブックを持っているのです。
マーティさんは最近、ベネズエラを訪問し、野党指導者や自由を推進する人々にあった。すると政権はビザ発給を停止し、再入国できなくなったという。自由推進団体「レディース・イン・ホワイト」のメンバーに会ったマーティさんは、彼女たちの境遇を聞いた。同団体は白い服を身につけ、恣意的に拘束された政治犯の釈放を求める運動を続けている。
彼女たちの家に入ると、「私たちの会話は全部盗聴されていますよ」と言われました。家中にマイクが仕掛けられているので、政権側に全て筒抜けです。外に出たら、できるだけ早く逃げてと、教えてくれました。共産主義がいかに悪いかについては、いくらでも話すことはできますが、実際に共産主義を経験してみると、それが想像以上に大きいということが分かります。
マーティさんはベネズエラでラジオ放送に出演した。ベネズエラは表現の自由が許されておらず、ラジオ局自体も少ない。出演前、局関係者からは、「この話題に触れないで」「この人について言わないで」と忠告を受けたという。
つまり自己検閲を強いられるのです。私はベネズエラやキューバに1週間ほど滞在しましたが、そのような制度の下で一生を過ごすのは、どれほど難しいことでしょうか。私はいつも言うのですが、共産主義のもとでは「どう生きるか」ではなく、「どうやって生き残るか」なのです。
(つづく)
米国思想リーダー「Antonella Marty: How Socialist, Communist Ideology Took Over Cuba, Latin America」より
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