米通商代表部(USTR)のタイ代表は30日、下院歳入委員会の公聴会で、不公平な貿易慣行を続ける中国共産党に対する通商政策には変化が必要だと訴えた。中国共産党への圧力強化のほか、国内生産といった産業競争力の向上に注力するとした。
タイ氏は米中両政府が2020年1月に調印した第1段階の貿易協定について、中国共産党の不履行を指摘した。米国は何度も中国に貿易協定の履行を促してきたが「中国は自国に利益となる義務しか順守しようとしないことが明白になった」と非難した。
USTRは昨年10月、中国との貿易協議を本格的に再開したが、具体的な進展は見られない。中国共産党の不公正な経済慣行に対抗するためには、同盟国や友好国との連携を強化する必要があると述べた。
また、中国共産党が電気自動車や半導体といった重要な産業に触手を伸ばしていると指摘し、米国の競争力強化を目指す「America COMPETES Act(アメリカ競争法)」の成立に強い意欲を示した。
米国は昨年12月、強制労働を理由に、新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法」を成立。USTRは「米国の決意を中国共産党に力強く示した」述べ、不公正な貿易慣行を牽制する姿勢を強くアピールした。
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