欧州連合(EU)は3月11日、中国共産党から弾圧を受けている法輪功学習者からの請願書に返答した。信仰の自由の保護はEUの対中戦略の不可欠な部分であり続けると強調し、法輪功学習者を強制と恐怖から解放するよう中国共産党に求めた。
EUは返答のなかで「中国の人権状況の悪化について、最高政治レベルの場で深刻な懸念を表明してきた」と述べた。その上で中国共産党の残酷な迫害に対して制裁措置を採択するなど、人権擁護に取り組んできたと強調した。
さらに、人権理事会を含む国際的な場において「宗教または信仰の自由を含む国際的な人権義務を順守するよう中国共産党に求めるため、あらゆる機会を活用している」と記した。20年以上にわたって中国共産党の弾圧政策の対象となっている法輪功学習者について「いかなる強制や恐怖からも解放され、自らが選んだ宗教または信仰を実践する権利がある」と述べた。
道徳的精神性を重んじ、ゆるやかな気功動作を実践する中国古来の精神修養法・法輪功は1990年代の中国本土で広がった。中国共産党の推計によれば、1999年には学習者は7000万人から1億人に上ったという。しかし、中国共産党は膨大な数に達した法輪功を「脅威」とみなし1999年7月に弾圧政策を開始した。
国際人権団体フリーダムハウスなどの報告によれば、中国本土では数十万人の学習者が収容施設に収容され、拷問や強制労働、臓器強制摘出などの危機に直面している。
米国の中国問題に関する超党派の連邦議会・行政府委員会(CECC)が先月発表した2021年の年次報告書は、中国共産党は引き続きこの1年間、法輪功学習者を恣意的に拘束し、拷問を行っていると非難している。
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