豪華クルーズ船で新型コロナの感染が拡大しているとの報告を受けて、米国疾病予防センター(以下CDC)は調査を行っていると発表した。クルーズ船を運行するカーニバル社の声明によると、乗員乗客は皆ワクチン接種済みだった。
新型コロナの感染が確認されたのはカーニバル社が運航する豪華クルーズ船「カーニバル・スピリット」号。3000人以上が搭乗する当該船舶は4月17日にマイアミを出発し、先週シアトルに寄港した。
CDCは船舶における新型コロナ感染症の発症をモニターしており、搭乗人数の0.3%以上が検査で陽性と判明すれば「オレンジラベル」をつけられる。「カーニバル・スピリット」も「オレンジラベル」であり、搭乗者の0.3%以上がコロナウイルスの検査で陽性反応だったことがわかる。CDCのウェブページからは、「カーニバル・スピリット」に対する調査がすでに開始され、観察下に置かれていることが確認できる。
大紀元はCDCにコメントを要請したが、回答は得られなかった。いっぽう、CDCの報道官がCNNに伝えた話によると、当クルーズ船はオレンジラインを越えた62隻の船のうちの一つである。
カーニバル社の関係者によると、クルーズ船の乗員乗客は全員ワクチン接種を完了している。さらに、クルーズ船会社のウェブサイトには、ワクチンを接種した者だけが搭乗できるとの規定が示されている。
カーニバル社は大紀元への声明のなかで「ワクチン接種の義務化や搭乗前のPCR検査を含む健康と安全に関するわが社の規約はCDCの基準を上回るものであり、厳格に遵守されている。我々の乗員も同様ワクチン接種を済ませ、マスクを着用している」と明らかにした。
また、「我々の規約は必要に応じて柔軟に対応するよう定められている」とし、「アラスカに向けた次の船旅に参加する予定の乗客は皆PCR検査を済ませており、陽性反応が出た者は同伴者も含めて下船している」と付け加えた。
いっぽう、当該クルーズ船の2人の乗客は米国メディアに対し、運航会社は感染拡大にうまく対処できなかったと話した。陽性反応により隔離された乗客は先週、「私は6日間自室に閉じ込められ、電話をしても応答してもらえなかった」「この船は、全くの準備不足で管理が杜撰だったために、我々の多くを苦しませた」とCBSニュースに語った。また、夫婦揃って陽性反応を出したという乗客は先週末、食事を注文してから配膳されるまで非常に長い時間を要したことなどをCNNに語った。
数週間前にもプリンセス・クルーズ社が所有するクルーズ船がカリフォルニアのサンフランシスコに寄港する前、乗員乗客全員がワクチンを接種したにも関わらず深刻なクラスターに見舞われたことが、当局によって確認された。
(王天雨)
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