岸信夫防衛相は20日の記者会見で、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を含む挑発行為に出る恐れがあると述べた。中国海軍と空軍の活発な活動にも言及し、安全保障環境が厳しさを増していると指摘した。
北朝鮮の軍事動向について、ICBMの発射を含め近日中に挑発行動に出る可能性があるほか、今月中にも核実験を実施するための準備が整う恐れがあると指摘した。米国と連携して情報収集を行い、警戒監視を行っていくと述べた。
新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に航空自衛隊の早期警戒管制機AWACSを模した仮想標的が設置されていたとの報道について、岸氏は中国軍の動きは「国防政策や軍事力に関する透明性の不足と相まって、わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念」であると述べた。さらに、中国が国防費を増加させ、海空域における軍事活動を急速に活発化させていることについて「今後も強い関心を持って注視」していく方針を示した。
週明けの24日には東京で日米豪印4か国会談(クアッド)が開催され、バイデン米大統領が来日する。岸氏は「非常に厳しさを増している安全保障環境において、日米間の連携は非常に大切」だとし、「日米同盟の強化につながる動き、中身になってほしい」とコメントした。
18日午前、対艦ミサイルを搭載している可能性がある爆撃機2機が沖縄本島と宮古島の間の空域を通過して太平洋への往復飛行を行った。また、沖縄南方の海域では5月上旬以降、中国海軍の空母「遼寧」が300回以上にわたって断続的に艦載戦闘機、艦載ヘリの発着艦を行っている。これらの活動について岸氏は、「太平洋等の遠方の海空域における作戦遂行能力を高めるための活動である可能性」があると指摘した。
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