フランスのマクロン大統領は、アルバニージー豪新首相との電話会談で、「信頼と尊重」に基づくオーストラリアとの関係を再構築するとの見解を示した。オーストラリアがフランスと進めていた潜水艦開発計画を破棄し、米国製の原子力潜水艦を配備すると決めたことで両国関係は冷え込んでいた。
パリのエリゼ宮(大統領府)は声明で、モリソン前首相が潜水艦開発計画を破棄したことで信頼関係の欠如を招いたと指摘した上で、「信頼と尊重に基づく二国間関係を再構築し、インド太平洋における戦略的課題で協力していくことで合意した」と述べた。
これに対し、アルバニージー氏も「自由で開かれたインド太平洋へのコミットメント、気候やエネルギーに関する協力、ウクライナへの支援について話し合った。私たちが共有する優先課題に一緒に取り組むことを楽しみにしている」とツイッターに投稿し、豪仏協力を強化していく姿勢を明らかにした。
オーストラリアは昨年、中国を念頭に設けた新たな安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」による原子力潜水艦の導入を決め、フランスと2016年に結んだ潜水艦製造契約を破棄。フランスは、駐米大使と駐オーストラリア大使を召還するなど関係が冷え込んだ。
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