米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官はこのほど、中国が悪質で世界最大のサイバーアクターであり、中国側がハッキング行為を通じて盗んだ米国民や企業の情報は、他の国の合計よりも多いと非難した。
レイ長官は1日、ボストン・カレッジ(Boston College)で開催されたサイバーセキュリティ対策に関する会議で講演した。同氏は、中国共産党政権は「嘘、騙しと盗みによってテクノロジー分野の世界支配を目指している」と警告。
また、「明らかに中国はロシアと違う脅威である。中国は長期的な経済目標を達成するために計画的にハッキングを行っており」「その野心と攻撃性を弱める気配はない」と同氏は示した。
長官は、中国のハッカー集団はロシアより規模がはるかに大きいとの見方を示し、「彼らが持つ大規模なハッキングプログラムは、他のすべての国を合わせたものよりも大きい」と述べた。
長官はまた、中国共産党政権が米企業や外国企業に対して技術移転を強要し、国家情報法を利用して、安全保障という口実で企業データの提出を要求していることに言及した。
長官によると、一部の在中国米企業は、導入を義務付けられた税務関連のソフトウェアが原因で、社内システムにマルウェアが埋め込まれ、中国政府が企業のデータに秘密裏にアクセスできるようになったと訴えた。
レイ長官は4月24日、同様の見解を示した。同日、CBSのニュース番組「60ミニッツ」で、長官は「防諜の観点から、中国共産党は米国の最大の脅威だ」と述べ、中国が「かつてない規模で」ハイテク技術や企業秘密などを標的にしているとした。
いっぽう、長官は1日、中国がロシアのウクライナ侵攻を注意深く見ているとした。「彼らは台湾侵攻でわれわれを阻止したり危害を加えたりするために、(作戦)能力をどのように向上させるかを模索している」と述べた。
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