「ウイグル人を中国に強制送還しないで」人権団体がタイ議会に請願書提出

2022/07/01 更新: 2024/04/22

ピープルズ・エンパワーメント財団を中心とする10以上の権利団体は15日、タイで拘束されている約50人のウイグル人を中国に強制帰還しないよう求める請願書をタイ下院外交委員会に提出した。タイでは2015年、不法入国者として拘束していたウイグル人109人を中国に強制送還しており、同様の悲劇が繰り返されないよう訴えている。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

VOAによると、権利団体は中国共産党がタイで拘束されているウイグル人を強制送還する動きを強めているとする情報を、タイ政府内の匿名の情報筋から得たという。拘束されているウイグル人の大半は2014年以前に中国から逃れてきた人々とされる。

中国共産党は国境を越えた弾圧政策を展開している。中央アジア問題のためのオクサス協会とウイグル人権プロジェクトが昨年まとめた報告書によれば、中国共産党はパキスタンへの過剰支援を通じてウイグル人送還を協力させていたという。

タイ当局は2015年夏に109人のウイグル人を中国に強制送還した過去がある。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは「中国の圧力に屈し、人々から身の安全を奪った」と批判した。アムネスティ・インターナショナルも、これまでに送還されてきた人たちは、拷問や死刑を宣告されてきたと指摘し、「国際法に違反する卑劣な行為」と懸念を表明した。

外交委員会の一員として請願書を受理したランシマン・ローム議員は、ウイグル人の中国への強制送還は「死に追いやるようなもの」だとし、阻止するため政府に圧力をかけるとしている。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: 人権問題