中国の地方政府は、低迷する不動産市場を改善するため、公務員らに対して物件の「グループ購入」を促している。
中国メディア「澎湃新聞」によると、6月以降、江西省太原市、広東省中山市、遼寧省瀋陽市、四川省巴中市などの地方政府が、地方公務員、国有企業の従業員、大学や研究施設の教職員らに対し、マンション物件の「団購(グループ購入)」を推奨した。購入した場合、優遇措置を受けられるという。
浙江省桐廬県の場合、物件10件をまとめ買いすると、購入価格は提示価格から3%オフになる。20件の一括購入は、5%の値引きを受けられるという。
中国メディア「第一財経」は20日付の記事で、主要70都市のうち、半数近くの34都市の不動産価格は2年前の水準を下回っている。中部の河南省鄭州市など6都市では5年前の価格より低く、不動産市場の低迷は深刻だと指摘した。
また、15日に公表された今年1〜6月期の住宅販売額は前年同期比で3割減と不振が続いている。
台湾国防安全研究所の汪哲仁研究員は米VOAに対して、これらの物件は小中都市に位置し、すでに値崩れが始まっているため、「良い投資先ではない」と指摘した。
地方政府は近年、財政難で公務員の給料削減を相次いで行った。「物件を購入する余裕はないはず」と汪研究員はこの措置による効果が限定的だとの見方を示した。
現在、中国で工事が長期にわたり滞っている物件をめぐって、ローン支払いの中止を宣言した購入者が相次いだ。
湖北省武漢市で20日、マンション購入者200人が中国銀行保険監督管理委員会の湖北省管理局の前で「工事中止なら住宅ローンも中止せよ」と叫んだ。
今月14日、陝西省西安市でも購入者数百人が未完成のマンションを巡り陳情を行った。
不動産市場の先行きの不透明さで、公務員らは物件購入に消極的だ。ある市民は「物件を購入した公務員は周りに一人もいない」とVOAに話した。
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