岸田文雄首相は31日から米国・ニューヨークで開催されるNPT(核不拡散条約)再検討会議に出席し、一般討論演説を行う。木原官房副長官が29日の記者会見で明らかにした。同会議への出席は日本の首相としては初となる。
木原氏は「核軍縮をめぐり各国の分断は一層深まっており、また、ウクライナ侵略の中でロシアが核兵器による威嚇を行うなど、『核兵器のない世界』への道のりは更に厳しいものとなっている」と指摘した。
そのうえで、「政府としては『核兵器のない世界』に向け、NPTの下で現実的な取組を進めていくことが重要であると考えており、岸田総理の演説においてもNPTを重視する我が国の立場を発信するとともに、NPT体制の維持・強化のための各国の建設的な対応を呼び掛ける予定」と述べた。
ニューヨーク滞在期間中にはグテーレス国連事務総長との会談や軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)会合への出席等も予定されている。国連本部に展示された広島県、長崎県の被曝関係資料も視察するとの報道もある。
岸田首相は広島出身の政治家として「核兵器のない世界」を訴えてきた。来年5月にはG7広島サミットを控えており、国際的に被爆の事情を伝える方針。
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