小泉防衛相「三つの海の結合」を提唱 =ミュンヘン安全保障会議

2026/02/15 更新: 2026/02/15

2026年2月13日、ドイツで開催された世界的な安全保障フォーラム「ミュンヘン安全保障会議」において、小泉進次郎防衛大臣が登壇し、スピーチを行った。小泉氏は、インド太平洋地域と欧州大西洋地域の安全保障は「一体不可分」であるとの認識を強く打ち出し、日本が国際秩序の維持に向けて、より主体的な役割を果たす決意を表明した。

盤石な政権基盤と「高市ドクトリン」の具現化

今回のスピーチの背景には、日本国内における強固な政治基盤がある。小泉氏は冒頭、直近の日曜日に行われた選挙において与党が「歴史的勝利」を収めたことに言及した。高市早苗総理大臣率いる政権は、選挙期間中も日英首脳会談を行うなど外交・安全保障政策の手を緩めておらず、今回の小泉氏の登壇は、その自信と勢いを国際社会に示す場となった。

また、米国ではトランプ大統領が再登板しており、昨年には横須賀の空母上で高市総理と共に演説を行うなど、日米関係の蜜月ぶりもアピールされている。小泉氏は自身が横須賀出身であることに触れ、同地が米軍のみならず、英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」を含む欧州各国の艦艇を受け入れるハブとなっている現状を紹介し、自身の出自と日本の立ち位置を重ね合わせた。

スピーチの核心:防衛力の抜本強化と新たな脅威への対峙

スピーチの中で小泉氏は、以下の3点を柱として日本の姿勢を説明した。

  1. 防衛政策の強化: 日本は防衛関係費の対GDP比2%目標を当初の予定より前倒しで達成した。さらに、高市総理の指示の下、年内に国家安全保障戦略の改定を目指しており、2026年度中には航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」へ改編する予定であると述べた。
  2. 現状認識と懸念: ロシアによるウクライナ侵略や、東シナ海・南シナ海での力による現状変更の試みを挙げ、地域危機が世界全体に直結していると指摘。経済、技術、情報、サイバー空間など「あらゆるものの武器化」が進む不確実な時代への危機感を共有した。
  3. 連携の強化: 日米同盟の堅持に加え、NATO(北大西洋条約機構)との連携(IP4:日韓豪NZ)や、日英伊による次期戦闘機共同開発(GCAP)など、多層的なネットワークの構築を強調した。

今後の予測:装備移転の拡大と「三つの海」構想

本スピーチから読み取れる今後の日本の安全保障政策の展望として、最も注目すべきは防衛装備移転の拡大である。小泉氏は、GCAPが欧州を含むパートナーとの相互運用性を念頭に置いたものであるとし、現在、装備移転に関する「5類型」の見直しを含めた対象拡大の検討を進めていると明言した。これにより、日本製の防衛装備品が、より柔軟に同志国へ供与される道が開かれる可能性が高い。

スピーチの結語において小泉氏は、かつて安倍晋三元総理が提唱した「二つの海の交わり(太平洋とインド洋)」を発展させ、大西洋を加えた「三つの海」への広がりを訴えた。これは、日本がアジア太平洋地域に留まらず、欧州を含むグローバルな安全保障プレイヤーとして振る舞うという宣言に等しい。

「ウクライナは遠い欧州の問題ではない」と言い切る日本の姿勢は、欧州諸国に好意的に受け止められるだろう。一方で、周辺国による軍備増強が続く中、日本が掲げる「力による現状変更の拒否」と「防衛力の抜本的強化」が、地域のパワーバランスにどのような影響を与えるか、引き続き注視が必要である。

▶大紀元EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶「日本の思想リーダーズ」番組ナビゲーター 、「大紀元ライブ」番組ホスト。
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