「女性を標的にしている」ウイグル人女性と漢人男性の強制結婚、2014年から=報告

2022/11/30 更新: 2022/11/30

米ワシントンの人権団体ウイグル人権プロジェクト(UHRP)」が公表した報告書によると、中国共産党(中共)は2014年から、新疆ウイグル自治区でウイグル人女性と漢人男性の異民族間結婚を推奨し強制してきたことが明らかになった。

調査報告「ウイグル人女性に対する強制結婚:東トルキスタンにおける異民族間結婚政策」は、中国国営メディアの報道や政府の政策文書、政府公認の体験談や証言などの証拠を用いて作成された。

中国は55の少数民族と90%以上を占める漢民族によって構成されている。人口1000万人を超えるウイグル族は、55の少数民族のうちの1つだ。近年、中国共産党による新疆での人権を無視した政策が懸念されてきた。

UHRPの調査で、新疆でウイグル人女性と漢人男性との間の異民族間結婚を奨励、強制するなど、民族混合結婚を通じて、ウイグル人を強制的に漢人社会へと同化させる政策に中国共産党が積極的に関与していることが明らかになった。

「この報告書によって、新しい形の性暴力が明るみに出た。各国政府、国連の関係機関、および女性支援団体の行動が必要だ」。UHRPの最高責任者オマー・カナート氏は声明で国際支援を呼びかける。

「中国政府はウイグル人に対するジェノサイドは、女性を標的にしている。ウイグル人女性の証言によれば、中共の強制収容所や牢獄で性暴力が常態化している。強制不妊手術の証拠がウイグル裁判で人道に対する罪として認定するために必要不可欠だった」

報告書は、新疆で奨励し強制された結婚は、人権に関する国際的なルールに違反する性犯罪であると指摘する。異民族間結婚の政策や、その他性的な虐待は、現在進行形で行われている新疆での大量虐殺や人権侵害を助長させているとした。

複数の政府機関及び国連は、新疆で行われている人権侵害は、大量虐殺または人道に対する罪(ジェノサイド)に値する可能性がある、あるいはそう断言できると認識している。

UHRPは、女性人権擁護活動が、説明責任の要求やウイグル人その他トルコ系女性が被害に遭っている強制結婚の停止に動くよう呼びかけている。

王天雨