19日、ニューヨーク発の神韻芸術団が、埼玉県川口総合文化センター・リリア メインホールでの最終公演を迎えた。観客らは現代に蘇る古典芸術の燦めきを体感し、劇場は幸福感に包まれていた。
会社経営者「オーケストラに合わせたダンス、見れて本当に幸せ」
この日、床洗浄機販売会社社長の中園晃博さんが公演を鑑賞した。「始まってからずっとエンディングまで、本当に素晴らしい公演で感激しました。最高でした」
「僕は弦楽器がとても好きなものですから、オーケストラの演奏を直接聴いて、その音に合わせたダンスを見れて本当に幸せでした」
「基本を全てこなした上でのアクロバットや揃った動きに、どれだけ練習して来たかがひしひしと伝わってきます」と鍛錬の成果を讃えた。
失われた中国伝統文化の復興を掲げる神韻は、古来の美徳を芸術表現で体現するとともに、表現や信仰の自由のない現代中国の実情も描いている。
「中国の歴史を取り入れているところとか、今の中国では公演できないような現代の物語がとても印象深く感じました」と中園さんは語った。
「やはりこの時代には流されたらダメなんだなと。まるっきり今の流れに乗っちゃうと『悪』が全部降りかかってくるのではないかと思う。自分の気持ちに持つものを一本持っていないといけない」
最後に中園さんは「また次の公演もぜひ観覧に来られたら幸せだと思います」と穏やかに語った。
大学教授「文化からだと入りやすい、何より楽しめる」
同日、大学客員教授の関口潔さんと陽子さん夫妻が公演を鑑賞した。
「オーケストラピットの近くで音楽を聴けてすごく素敵だったし、それに中国の歴史や舞踊と文化の関係も説明されて、とても楽しめました」と潔さんは語った。
バレエとジャズダンスを小さい頃から続けているという陽子さんは、演者の身のこなしに見入っていた。「手のしぐさがとてもきれいというか。動きの上品さがとても好きです。司会者の女性の声やお話の仕方、手の動きもとても洗練されているよね」
潔さんは中国人の精神的なバックグラウンドがよく理解できたという。
「文化からだと入りやすいよね。『こういうのはどういう意味だろう?』って考えるじゃないですか。それが良いと思いますよ。何より楽しめるしね。言葉がなくてもメッセージがある」
陽子さんも中国古来の神伝文化に共感していた。
「神様を信じていることが非常に大事という価値観はとてもよく分かる。中国の方の価値観は私たちとそんなにずれていないと思います」
「伝統文化は絶対に廃らせてはいけない」神韻の使命に共感
「壮大なスペクタルの迫力と生の演奏が素晴らしかったですね。臨場感あふれる舞台にずっと目を開きっぱなしでした」
同日、社団法人理事長の根本輝尚さんが公演を鑑賞した。「どれも良かったですけど、孫悟空の演目が良かったですね。楽しかったです。バックスクリーンの映像と演者のコラボがうまいなぁと思って感心しました」
女性の宮廷舞踊には思わず見とれたという。「もう本当に、ただただぼーっと見とれてしまう感じで、とにかくなんとも幸せな気分になれました」
前半最後の演目『雪山の慶び』では、チベットの少年たちが力強い舞踊で天を讃える。「本当にかっこよかったです。みんなが生き生きと動いていて素晴らしかった」
バリトン歌手の独唱は、人々が持つ天上への憧れを思い出させてくれる。「僕は天からの恵みなどを信じている人間なので、そういうメッセージ性があるものは素晴らしい」
「そういうものを大事にすることによって、自分の信念をしっかり持っていけるのだと思います。絶対大事だと思いますね。」
伝統文化は「絶対に廃らせてはいけない」と語る根本さんは、現代中国の演目に心を痛めていた。
「あれはちょっと胸が痛いですね。正直あんまり凝視できないというか。でも大事ですよね。こういう現実があるというのも教えていかなければいけないと思います」
失われた中国伝統文化の復興を目指す神韻芸術団は、目下、日本巡回公演を開催中だ。残る開催都市は宇都宮、東京、名古屋のみ。ツアー日程は公式サイトで確認できる。
大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。
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