米国務省「法輪功迫害を直ちに停止せよ」 30歳ラジオ局司会者の獄中死受け

2023/02/25 更新: 2023/02/26

中国伝統気功である法輪功を信仰していたという理由で拘束されていたラジオ局司会者の龐勳(ほうくん)さんが拷問死したことを受け、米国務省は人権弾圧を非難し、直ちに法輪功迫害を停止するよう中国政府に求めた。

四川省人民ラジオ放送局の司会者を務めていた龐さんは2022年12月、残酷な拷問を加えることで悪名高い中国楽山嘉州刑務所で死亡した。30歳という若さだった。迫害実態を訴えようと母親が2月に公開した動画には、痩せ細り、全身に打撲痕が残る龐さんの遺体が写っていた。

国務省の報道官はエポックタイムズに寄せた声明の中で「1999年以来、中国共産党は精神修養法である法輪功と、その平和的実践者、信仰を実践する権利のために戦ってきた人権擁護者の根絶を試みている」と非難。「中国政府は直ちに法輪功学習者への虐待や冷遇をやめ、信仰を理由に投獄されている人々を解放し、行方不明の学習者の行方を明らかにするべきだ」と訴えた。

さらに同省は「中国やその他の地域における人権侵害や虐待の責任者の説明責任を促進するため、あらゆる適切な手段を検討し続ける」と付け加えた。

龐さんの死を受けて、米国際宗教自由委員会の委員であるデービッド・カリー氏も法輪功迫害に加担する中国政府関係者と団体に対して、多国間で連携した制裁を課すよう米政府に求めるとエポックタイムズの取材に答えた。

米国はこれまで法輪功迫害に関与したとして、610弁公室の元主任など3人の中国当局者に制裁を科している。

法輪功情報サイト「明慧ネット」によれば、2022年に172人の法輪功学習者が中国共産党の迫害により死亡した。しかし、中国国内の状況を把握するのは難しいため、この件数も氷山の一角に過ぎないと専門家らは指摘する。

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。
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