中国共産党による法輪功学習者への残酷な迫害は、今年24年目を迎える。同党は薬物迫害や人体実験を繰り返し、信仰を貫く学習者を心神喪失や死に追いやってきた。ここでは広範囲かつ長期にわたって行われている薬物迫害について取り上げる。
(本記事にはショッキングな文章表現や画像が含まれます)
凶悪な薬物迫害 人間性を喪失する人体実験
法輪功情報サイト「明慧ネット」によると、2021年12月27日まで、中国で少なくとも865人の学習者が法輪功の信仰を放棄する「転向」を拒んだため、精神病院で薬物や人体実験の迫害を受けた。強制的に投与された薬物により多くの学習者が精神異常をきたし、内臓を損傷し、死亡した。中には10年以上薬物で迫害された学習者もいる。しかし、国家主導の迫害実態を把握することは難しく、この数字も氷山の一角に過ぎない。
中枢神経を破壊する不明な薬物を投与された学習者のなかには、全身のけいれんや胸と腹が膨むなどの異常をきたし、壁に頭をぶつけるなどしてもがき苦しむ者もいるという。
学習者の尹麗萍さんは、2000年に収容された悪名高い馬山家労働教養所で受けた薬物迫害について、中国に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)の公聴会で証言した。
同氏によれば、2カ月以上にわたって得体の知れない薬物を毎日2~3本ずつ投与され、一時的に視力を失い、内分泌障害などを患った。のちに公式登録されていない超法規的な収容施設、いわゆる「黒監獄」に移され、男性受刑者に輪姦され続けたとも語った。
学習者の張付珍さんは山東省平度市法輪功迫害機関「610弁公室」の洗脳班で強制的に不明な薬物を投与された。直後に狂ったようにもがき始め、そのままベッドの上で悶え苦しんで死亡した。その場に居合わせた610弁公室の関係者らは、これらの一部始終を見ていたという。薬物を投与される前にも警官によって服を剥ぎ取られ、すべての頭髪を剃られ、拷問されていた。
山東省莱陽市出身の柳志梅さんは2002年、法輪功を学んでいるという理由で懲役12年の不当判決を下された。数々の拷問手段を用いても転向しない柳さんに警察は精神疾患患者用の薬物を毎日3種類、注射し迫害を強化した。2008年に釈放されたものの精神喪失状態に陥り、2015年に35歳の若さで死亡した。
明慧ネットによれば、柳さんに投与された3種の薬剤はクロザピン、スルピリド、バルプロ酸ナトリウムだという。これらは統合失調症、双極性障害を患う人に投与される。
柳さんは高考(全国共通の大学入試)で山東省トップの成績を納め、清華大学化学工程学科に入学する才女だった。最も迫害が厳しかった00年代、同大学では少なくとも35人が当局に連行された。
医師や病院も薬物迫害に従事
スペインを拠点とする人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は昨年発表した報告書の中で、中国共産党が反体制派を精神病院に収監し、強制的な薬物投与などの虐待を行なっていると指摘した。一党独裁体制を敷く中国では、医師や病院は当局との結託を強いられ、極めて非人道的な行為に従事させられている。
報告書は、中国は精神障がい者の法的権利と利益を保障する法律を2012年に制定しているにも関わらず、中国共産党は精神病院に収容された反体制派に強制的な薬物投与や電気けいれん療法を行なっていると述べた。
その一例として陳情者の鄧光英氏を取り上げた。中国共産党の臓器狩りに関する新唐人テレビのインタビューに答えたことで北京警察に精神病院に収容され、強制的に薬を飲まされたという。同氏は、それ以前にも不法に拘束され性的暴行などの虐待を受けている。
報告書の著者の一人、ダイナ・ガードナー氏は精神病院への強制入院は「個人の人権を含めどんな事項よりも(体制)安定と維持が何よりも重要であることを示す、長年の制度だ」と述べている。
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