昨年7月に暗殺された安倍晋三元首相の記念写真展が、初めて台湾で開かれた。27日の開会式には蔡英文総統をはじめ台湾高官が出席し、安倍氏の功績を讃え、日台関係の更なる深化を願った。開催にあたり昭恵夫人からもメッセージが寄せられた。台北市の張栄発基金会国際会議場で4月10日まで開かれる。
写真は安倍氏が諸外国に赴き要人らと会談する様子や、正装で政務に当たる様子が紹介されている。加えて、安倍氏が昭恵夫人とゴルフを楽しみ、来客に手料理を振る舞う貴重な写真も展示されている。
蔡英文総統は安倍氏について「台湾の良き友」であると称賛、「『台湾に寂しい思いをさせてはいけない』と話していた安倍元首相。台湾パイナップルを手に見せてくれたあの温かい笑顔がいまも忘れられないという人も多いでしょう」と故人への想いをはせた。さらに、安倍氏の遺志を継いで「日台友好の灯火を守り、人々の心を温めていきたいと願っています」と綴った。
昭恵夫人は開催に先立ってメッセージを寄せた。写真展の開催に感謝の意を表するとともに、7月の写真展には「台湾に直接伺って、皆様にお目に掛かれたらというふうに思っております」と語った。
中国共産党による妨害工作と軍事的圧力が続くなか、一貫して台湾を支持してきた安倍氏の現地での人気は高い。産経新聞台北支局長の矢板明夫氏は「日台交流協会で安倍氏に哀悼を捧げた人々は約1万5000人に上る。これは世界で最大規模だ」と述べた。
週末行われた記者会見では、産経新聞月刊誌「正論」の発行人の有元隆志氏は「安倍元首相は、台湾有事は日本有事という端的な言葉で日本国民に向かって、台湾の危機は日本の安全保障問題に直結するということを訴えていた」と述べた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。