[アンカラ 28日 ロイター] – トルコ大統領選は28日に決選投票が行われ、現職エルドアン大統領(69)が、野党統一候補クルチダルオール氏の得票を上回り勝利した。約20年にわたりトルコを率いたエルドアン氏の政権がさらに5年間続くことになる。
当局のデータによると、エルドアン氏の得票率は52.1%、クルチダルオール氏は47.9%となり、国民の分断を浮き彫りにした。クルチダルオール氏は「近年で最も不公正な選挙」と主張したが、結果に異議を唱えることはしなかった。
野党はエルドアン氏が自身の権力を拡大することで民主主義を弱体化させたと主張してきた。
エルドアン氏はアンカラで勝利演説し、全ての対立を忘れて国家全体の価値感と理想の下で結束するよう呼びかけたが、その後にトーンを変えて野党を性的少数者(LGBT)寄りなどと批判し、クルチダルオール氏がテロリストに味方していると根拠を示さず主張した。
また、インフレがトルコの最も喫緊な課題だと述べた。
トルコ以外の北大西洋条約機構(NATO)加盟国はエルドアン氏がロシアのプーチン大統領と近い関係にあることに警戒を強めていたため、クルチダルオール氏の敗北に失望するとみられる。
プーチン氏はエルドアン氏を「親愛なる友」と呼んで祝意を伝えた。
バイデン米大統領はツイッターに「NATO同盟国として2国間の問題や共通の国際的課題について引き続き協力することを楽しみにしている」と投稿した。
エルドアン氏は結果判明後、イスタンブールで支持者に「きょうの勝者はトルコだけだ」とし、「あと5年間、国を治める責任を再び与えてくれた国民に感謝する」と述べた。
選挙戦でエルドアン氏は、民族主義的で保守的な政策で有権者にアピールしていた。
一方のクルチダルオール氏は、民主主義の重要性などを指摘し、変革を訴えた。同氏は、権威主義的な政権を変えようとする人々の意思が投票により示されたと述べた。
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