結婚せず、子供も作らない中国の若者たち 第一子の出生数が50%未満

2023/10/14 更新: 2023/10/15

中国衛生健康委員会(保健当局)はこのほど、中国の昨年の出生数が900万人を超えたが、その内、一人目の子供は50%未満だったと発表した。

保健当局が10月12日に発表した2022年中国衛生健康事業発展統計公報によると、2022年の全国の出生数は956万人で、その中の第2子の割合は38.9%、第3子とそれ以降の割合は15.0%だった。これにより、1人の目の子供の割合は46.1%と計算される。

また女児100人に対する男児の数を示す出生性比は111.1と男児が多くなっている。

報告によれば、2022年の死亡数は1041万人で、総人口は2021年に比べ85万人減少している。中国の人口がマイナス成長となるのは1961年以来初めてだ。

中国工程院のメンバー(院士)、北京大学医学部の主任である喬傑氏は8月に、この5年間で中国の新生児の数が約40%減少したと述べ、2023年の出生数は約700~800万以上に留まると予測している。

中国共産党が30年以上にわたり実施してきた「一人っ子政策」が、中国の人口が連年減少している主な原因と考えられている。

「一人っ子政策」とは、原則、一組の夫婦で 1人の子供しか生むことができないという人口抑制政策のこと。

一人っ子政策の影響で、中国の出生率は減少し、男女の人口バランスが崩れ、高齢化が進んでいる。

1990年代から、中国の出生人口は減少傾向にある。2022年末、中国の人口は初めて減少を記録した。

急速な人口減少を受け、中国政府は「一人っ子政策」を撤廃し、手の平を返すように、あわてて多産を奨励するようになった。しかし、中国の若者は「結婚せず、子供を作らず」を選んでいる。

彼らは結婚せず、子供を作らず、出世もマイホーム購入もあきらめる。生命を維持するだけの労働はするが、それ以上の努力はしない。そうした「寝そべり主義(躺平)」は、今の中国の若者の生き方として、幅広い共感を集めている。

その背景には、結婚費用や子供の養育にお金がかかりすぎるという事情だけでなく、中国政府に背を向けるという姿勢が根底にある。

李韻
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