米、紅海の商船保護へ多国間の取り組み発表 フーシ派攻撃増加受け

2023/12/19 更新: 2023/12/19

[マナマ 19日 ロイター] – オースティン米国防長官は19日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による船舶への攻撃が相次いでいることを受け、紅海における商船の安全確保に向けた多国間の取り組みを発表した。

参加国には英国、バーレーン、カナダ、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー、セーシェル、スペインが含まれ、紅海南部とアデン湾で共同パトロールを行う。

米海軍の中東本部があるバーレーンを訪問中のオースティン氏は声明で「国際的な問題であり、共同の対応が必要だ」とし、「繁栄の守護者作戦」と呼ぶ多国間の安全保障イニシアチブを創設すると発表した。

フーシ派が発射したミサイルやドローン(無人機)を撃墜し、攻撃を受けている民間船舶の救援に駆けつけるなど米軍の艦艇が実施してきたような対応を他の参加国も行う用意があるかなどは不明。

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突を受け、フーシ派は紅海で船舶への攻撃を繰り返しており、オースティン氏の発表の数時間前にも、周辺海域で商船2隻を無人機で攻撃したと明らかにした。

通常は世界の海運の15%程度が欧州とアジアを結ぶ最短航路であるスエズ運河を通り、イエメン沖の紅海を航行する。だが、フーシ派による攻撃激化を受けて海上貿易に混乱が生じ、海運会社などはアフリカの喜望峰を回る迂回(うかい)ルートを取っている。

オースティン氏は18日、訪問先のイスラエルで、フーシ派の攻撃を巡りイランを非難。「フーシ派の商船攻撃に対するイランの支援は停止せねばならない」と強調した。また「われわれが地域の安定化に取り組んでいる時に、イランはテロ集団や武装組織を支援し続けることで緊張を高めている」と述べた。

Reuters
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