「中国は孤島経済となる」と唱えた中国経済専門家 アカウント停止に

2023/12/21 更新: 2023/12/20

先日、中国の著名なエコノミスト、格隆氏は中国の対外経済について「強い警戒心」を持ち、搾取されないようにと呼びかけた。現在、格隆氏のアカウントは投稿停止となりコンテンツは全部消されているという。

格隆氏は動画の冒頭で、中国経済は海外から隔絶された「孤島経済」となり、自国内だけで経済活動をする「内循環」に追い込まれる可能性があると単刀直入に指摘している。なぜなら、国際貿易や外国投資など「外循環」にまつわるいくつかの数字がほぼゼロに激減しているからだ。

海外渡航者が98.6%も急落

格隆氏によると、中国に訪れる外国人観光客は新型コロナウイルス(私たち大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)が大流行する前の2019年第1四半期には370万人以上が国外から中国に渡航したが、2023年第1四半期はわずか5万2千人、2017年の同時期と比べると98.6%も急落した。

この5万2千人のうち、56%が香港から、22%がマカオからの観光客であり、他国からの実質的な「外国人観光客」は1万人程度しかいない。格隆氏はこれは「想像できない」ことだと考えている。 

外国人が中国に来なくなったということは、外国人観光の産業チェーンが崩壊したことを意味するだけでなく、1970年代と同じように、中国が再び国際的に孤立し、閉鎖的な状態に陥りつつあることを意味している。

「我々は外国人投資家の撤退を常に心配している。 実際に、外資の撤退よりも、外国の顧客やビジネスマンが中国を訪れなくなることが問題だ。彼らはメキシコ、ベトナム、インド、インドネシアに行った」

米中間フライトがほぼゼロに

パンデミック前、米中間のフライトは毎月3800便以上、1日平均100便以上飛んでいたが、現在では直行便は1日わずか4〜6便しかなくなった。

格隆氏は、過去70年間、中国の対外貿易黒字の70%は米国との貿易によるものだと述べ、戦争も流行もない時期で、米中間の直行便が1日4~6便しかないことは何を意味しているのかと問いかけている。

海外からの投資が激減

統計によると、昨年の第1四半期、中国への海外直接投資は1012億ドル(約14兆5083億円)だった。しかし今年の第2四半期、中国企業への海外投資は49億ドル(約7108億円)と激減し、1998年の東南アジアの金融危機以来の最低値となった。

さらに、2023年、中国で資金調達を完了した外貨建てファンドはわずか8本で、前年同期は114本、一昨年、同期は792本だった。 

また2023年上半期時点で、中国に特化したプライベート・エクイティ・ファンドが調達した資金はわずか14億ドル(約1995億円)だった。 2021年上半期に調達された約500億ドル(約7兆4千億円)と比べると、著しく激減している。

格隆氏は、人の流れ、物流、資本の流れが経済発展の3つの核心要素だと述べ、これらの数字が「ゼロ近くまで縮小」した理由を明確に分析する必要があると指摘した。 

またこれが一時の流行が原因であれば、まだ修正・調整するチャンスはあるが、貿易戦争や政治摩擦によるものなら、中国経済はすでに、これまで経験してきた成長モデルや発展パターンから大きく逸脱している。それは私たちにとって本当に「耐え難い重荷」になるかもしれないと述べた。

最後に格隆氏は、中国は過去数十年間、グローバル化の最大の恩恵を受けた国の一つであり、中国の生産能力の60%以上が対外市場向けであることを改めて強調した。 

格隆氏は中国が「海外と断絶する」道を歩み、中国経済は再び「孤島経済」となったら、想像を絶する結果を招くだろうと警告し、抜本的な改革をしなければ、「大きな損失、挽回できない損失を被る」ことになると語っている。

現在、格隆氏のアカウントはまだ投稿停止状態で、コンテンツは全部消されている。

格隆氏アカウントが「禁言状態」にあ理、コンテンツ全部削除されている

格隆氏、旧名陳守紅氏。著名なエコノミストであり、中国の有名な投資研究プラットフォーム「格隆匯」の創設者である。25年の国内外投資経験を持ち、リサーチ部門と投資部門のディレクターを歴任し、管理資産規模は千億を超えている。A株(中国元建て株式)、香港株式、米国株式など国内外のさまざまな投資領域において豊富な経験を積んでいる。現在は、深圳格隆匯信息科技(集団)有限公司の董事長兼社長を務めている。

 

何雅婷
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