30日、日本を巡回公演中の神韻芸術団が、文京シビックホールで昼と夜の2公演を行なった。ニューヨーク発、古典舞踊と音楽の舞台芸術を通して失われた中国伝統文化の復興を目指す神韻。この日は2公演とも、直前に主催者側が追加で開放した座席も含めて完売となるほどの大盛況となった。
ベテラン空手家「感謝で溢れる舞踊、強さと優しさがある」
この日、空手道場館長の竹川達男さんが昼公演を鑑賞した。「動きがしなやかで、ジャンプしながらすごくゆっくり回転しますよね。あれはなかなかできない、素晴らしいです」と舞踊の妙をたたえた。
竹川さんは空手歴50年以上で、全日本空手道連盟・教士・8段を取得しているほか、日本体育協会上級コーチ、全日本空手道連盟剛柔会・常任理事などを歴任する空手指導者だ。4、5年前に神韻公演を鑑賞して以来、「体の使い方、手足の使い方、呼吸法がすごく勉強になるので、いつも見に来ている」という。
「普通の体操選手は素早く動くけれど、本当はスローの動きの方が難しいんです。ゆっくりと空中に浮かんでいるようなジャンプと回転は、鍛錬と練習の賜物ですね。臍の下、丹田の動きがあるんだと思いますよ」
高難度の技巧から、精神性も感じたという。「感謝の気持ちを持っていないと、そういうしなやかな、優しい動きはできないですよね。すべてに対する感謝の気持ちで溢れているのが舞踊に出ていると思います」
神韻のホームページには、悠久の中国文化の中で、武術と舞踊は同じ文化を共有してきたと説明されている。竹川さんは、神韻のステージから、武道にも通ずる「柔よく剛を制す」の精神を見出していた。
「動きの中でアクションシーンのようなものが出てきますよね。実際に戦っても本当にすごく強いと思います。強さと優しさがある。やはり優しさが強さになって出てくるんですよね」
「道徳的なメッセージがすごく大事」転職コンサルタントが共感
この日の夜公演を鑑賞した転職コンサルタントのエリス・ウォレンさんは、「初めて拝見しましたが、見たことのないアクロバットに大変感銘を受けました。最近の世界では色々ありますが、すごく明るい気持ちになりました」と喜びを語った。
神韻は、神が伝えたとされる中国伝統文化の真髄を、万国共通語である舞踊と音楽で伝える。イギリス出身のウォレンさんは、「すごく興味深い歴史で、もっと勉強してみたいと思った」という。
「スピリチュアリティー(精神性、霊性)がすごく伝わってきました。自分のバックグラウンドとは全く違いますが、そういう文化やイベントを現代でも大切にすべきだと思っているので、このようなパフォーマンスがあって、多くの人に中国文化が伝わっていくことがすごく大事だと思います」
舞踊劇の演目には、天を敬い徳を積むといった、中国古来の道徳観が色濃く反映されている。「そういう道徳的なメッセージがすごく大事だと思っています」とウォレンさんは語った。
「現代ではみんな個人の考え方があって、特に都会の環境では、周囲への気配りを少し失っているかなと思います。でも今日は、『もっとみんなと共存していこう』という気持ちを、公演を観た人たちと同じように共有できたと思います」
神韻オリジナルの独唱曲の演目では、人の善性を呼び醒す清高なメッセージが歌われる。「歌詞を読んでいて、自分が無意識に頷いてるのに気づきました。すごく大切にし続けたいと思う言葉でした」と受け止めた。
有名パティシエが絶賛「博愛を感じた」
この日、有名な洋菓子職人の横溝春雄さんが昼公演を鑑賞した。「演技も素晴らしかったですけど、特許を取られているというスクリーンの映像が、もう本当に素晴らしかったです」と絶賛した。
「純善純美」をテーマに古来の美徳を伝える神韻の舞台から、ポジティブなエネルギーを感じたという。「一生懸命前向きに明るく頑張るという気持ちを、生きていく上で大切にしていきたいなと思いました」
横溝さんは、ヨーロッパ各地で修業を積み、オーストリアのウィーンにある老舗菓子店「デメル」に日本人として初めて採用された洋菓子職人で、平成22年には製菓技能士として川崎市から「かわさきマイスター」に認定された。数冊の書籍を出版しているほか、テレビ出演歴もある。
「今まで長いこと仕事をしてきましたが、私達も常日頃から、『人に喜んでもらうためにはどうしたらいいか』『自分の仕事は人に感謝されている』という気持ちでやっています。今日の舞台からは、『喜んでもらいたい』『世の中のために頑張っているんだ』という気持ちが伝わってきますので、すごく素敵でした」
現代劇の演目では、中国の精神的伝統を現代に受け継ぐ精神修養法・法輪功の学習者らが、共産党政権からの厳しい弾圧を受けながら、信念を貫く。「中国から来た舞踊団ではなく、ニューヨークの芸術団だと知って納得しました。中国の人権侵害に関してはどうにかならないかなと、本当に誰もが思っていますよね」と横溝さんは受け止めた。
「博愛というか、世の中全体が平和になってもらいたいという気持ちを一生懸命伝えていると感じました。この劇団を見ていない人にも、自分の目で見て感じてほしいと思いました」
神韻2024日本公演は、2023年12月22日から2024年2月16日にかけて、全国12会場で42公演を挙行する。公演のチケットはチケットセンター(0120-91-8487、午前10時〜午後6時)のほか、公式ホームページから購入することができる。チケットぴあや楽天チケット等、大手チケット予約サービスでも取り扱いがある。
大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。
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