昨年の生活保護申請の件数が25万5079件に達し、4年連続の増加が明らかになった。こうしたなか、生活保護制度に外国人を含むかどうかについての議論が国会でなされた。永住資格者が増加の一途をたどる中、北神圭郎議員(有志の会)は外国人への支給は「我が国の義務ではない」として、移民政策としても法整備が必要だと指摘した。
外国人への支給は年間1200億円
生活保護法第1条は、原則として国民がその対象とされている。しかし、70年前に厚生労働省の局長通達により、事実上日本国民と同様の生活をしている外国人に対しては人道的な観点から国民に準じた扱いをするよう指示した経緯がある。
北神圭郎議員(有志の会)は先月(2月)29日の予算委員会で、この局長通達に応じて外国人への支給が70年も続いており、その法的根拠は示されていないと指摘した。
さらに、台湾や朝鮮半島からの労働者が国籍を失った戦時中の特例を除いて、「国民の保護は本国がその義務を負うべきであって、我が国が絶対にやらなければならないという話ではない」と強調した。
厚生省によると、世帯主が外国籍の被保護要員は、2021年で6万7380人にのぼると答えた。支出の総額は明らかにされていない。以前の国会で、年間約1200億円が外国人への支給に使われていると推計されたが、この数字は非公開だ。
武見敬三厚生労働相は、他の欧米先進国でも外国籍への生活保護支給は条件を揃えて実施していることから、我が国の現行制度に正当性はあると答えた。また、外国人への支給は永住者など限られた条件下で行われており、人道上の措置であると説明した。
外国人就労者は日本で増加の一途を辿る。在留資格を持ち合法的に日本に住む外国人は総数322万3858人と、永住者は過去20年で3倍増となった。この変化をみて、北神議員は「移民」対策として外国人への支給制度は見直が必要だと強調した。
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