米国のドナルド・トランプ前大統領は11日、X(旧ツイッター)のイーロン・マスク執行会長兼最高技術責任者(CTO)と面会したことを認めた。いっぽう、億万長者マスク氏からの再選支持を受けられるかどうかは不明だと述べた。
先週、複数のメディアが両氏のフロリダのマー・ア・ラゴでの面会を報じたが、詳細はほとんど発表されていない。それらの報道は、トランプ前大統領の選挙運動の資金繰り問題と、弁護士費用がかさむことを理由に会談を開いたと主張している。
トランプ氏は米CNBCに対し「私は長年、彼と親交がある。大統領時代には彼を助けたこともあるし、彼のことは嫌いではなかった。電気自動車(EV)などのテーマについて、私たちは明らかに(それぞれ)反対の意見を持っているが」と発言した。
この報道が表面化した後、マスク氏はXへの投稿で「明確に言っておくが、私は米大統領選のどちらの候補者にも寄付をしない」と述べた。
2022年に旧ツイッターを買収して以来、マスク氏は2021年1月に凍結されたトランプ氏のアカウントを含め、多くの著名な保守派のアカウント凍結を解除してきた。バイデン政権の国境政策にも不信感を抱き、共和党支持を示唆しているが、トランプ氏への支持は表明していない。理由として、トランプ氏が就任した場合のEVへの補助金撤廃の可能性などが挙げられる。
「政治的動機だ」…かさむ賠償金
米ニューヨーク州控訴裁判所は先月、トランプ前大統領が金融機関から融資を受ける際に資産価値を水増ししたとして、4億5420万ドルの罰金を支払うよう命じた。
1月には、トランプ氏が作家ジーン・キャロル氏への性的暴行を否定し、名誉を毀損したとして訴えられていた訴訟で、米ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁の陪審がトランプ氏に対し損害賠償支払いを命じた。キャロル氏は1990年代にトランプ氏から性的暴行を受け、トランプ氏がその事実を否定したことにより名誉が傷つけられたとして訴えていた。昨年5月にも、トランプ氏は500万ドルの支払いを命じられているが、いかなる不正行為も否定している。
トランプ氏は現在、ワシントン州、フロリダ州、ジョージア州、ニューヨーク州の4つの刑事裁判に直面しており、「政治的動機に基づいている」と無罪を主張し、徹底抗戦の構えを見せる。
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