3月26日、四川省成都市にある中学校で行われた3年生の国語の模擬試験で出題された文章に「日本軍を美化した」内容があったとして、文章の作者である中学校の校長をはじめ関係者までも停職になったことが分かった。
問題視された文章「杜鵑花(とけんか・サツキの漢名)落」の中で、中国共産党(中共)の軍隊である八路軍およびその行動について「共軍」や「逃げ回る」などと表現し、いっぽうで旧日本軍の大佐の息子を「牡丹の花のように枯れ果てる」などと形容する部分があったと指摘されている。
これらの表現について、「侵略者である日本軍の死をあまりに悲壮的に描いている、日本軍を美化した、不適切だ」と複数の親中共派の人たちが騒いだこともあり、世論のプレッシャーをうけて現地当局は調査チームまで立ち上げてこの件について対応している。
以前、2012年にノーベル文学賞を受賞した著名な中国人作家の莫言氏も、著作のなかに中国の抗日歴史を中傷する内容があったとして、小粉紅が莫氏に対し「謝罪」を要求したことがあった。
最近でも、中国のミネラルウォーター最大手の「農夫山泉」は、その包装に「日本的な要素が含まれる」と批判され、青天の霹靂のようなボイコットブームの渦中に立たされている。「農夫山泉」はその後「中国風」の新包装の商品を発売しているが、「そう簡単には許さない」といってボイコットする愛党者も少なくない。
この現象について、上海市の同済大学人文学院の張生教授は「学生たちは悪質な密告や政治的な手段を使って、他人を陥れることを学んでしまった。そして、自分たちと異なる思想や文化に対して大いなる憎しみを抱いている。教育の失敗だ」と嘆いた。
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