米インディアナ州、皆既日食を前に非常事態宣言を発令

2024/04/04 更新: 2024/04/04

米インディアナ州のホルコム知事は、4月8日の皆既日食観測のために大勢が同州を訪れることに伴い、州全体に非常事態を宣言した。

共和党関係者は、インディアナ州への訪問者の増加が、通信、交通、緊急対応システムに負荷をかける可能性があると述べ、非常事態宣言の必要性を強調した。皆既日食を観測するための最適な場所がインディアナ州にもあるとされている。

「私たちの州でこのイベントを観測する膨大な人々が、ファースト・レスポンダー(救急隊員や警察官などの緊急対応要員)に負担をかけ、公共の安全を守る通信と緊急対応システムに技術的またはその他の緊急事態を引き起こす可能性がある」とホルコム氏は述べ、他州からの緊急資源を呼び寄せるための予防措置として宣言を発表した。

彼の宣言文によると、皆既日食は「インディアナ州を直接通過し、我々の州の全員にこの非常に珍しいイベントの素晴らしい眺めを提供する」とのこと。前回インディアナ州を通過した皆既日食は1869年であり、次回は約75年後と予想されている。

「このイベント中に公衆の健康、安全、福祉を守り、発生する可能性のある緊急事態に迅速かつ効果的に対応する準備が整っていることが、インディアナ州にとって非常に重要である」と宣言文は述べている。

州都であり最大の都市であるインディアナポリスは、皆既日食の経路内に位置していると地元メディアは報じている。

他州でも、この天文学的イベントに先立ち、助言や警告が発表されている。例えば、オハイオ州サミット郡の当局は、観測者の大量流入による交通渋滞を避けるため、「家にいるように」と住民に呼びかけている。イリノイ州運輸省は、一部の地域で大規模な群衆が集まることを警告し、「南イリノイの主要な観測エリアには、10万~20万人が集まると予想され、皆既日食の数時間後には、そのエリアへの全ての道路が大変な混雑になると予想される」と述べている。

テキサスの緊急事態

テキサス州の数郡が、4月8日の皆既日食に伴う交通渋滞とグリッドロック(交通網の膠着状態)の可能性により、緊急事態を宣言した。

ボスキー郡緊急管理事務所は月曜日に、交通の混雑を理由に緊急事態を宣言し、「生命と安全、重要インフラの保護に必要な措置を講じる」権限を郡に付与した。

「数万人の訪問者」が日食観測のために訪れることで、ボスキー郡の人口は大幅に増加する見込みだ。これが地元の資源や燃料供給に負荷をかける恐れがあると当局は述べている。交通の混雑が予想され、「ボスキー郡の住民と訪問者の健康、安全、福祉を守るためには、特別な措置が必要」として緊急宣言がなされた。

先週、カウフマン郡の裁判官ジャキー・アレン氏は、「予想される訪問者数」を理由に災害宣言を行った。郡当局によると、約20万人が日食を見るために訪れる可能性がある。

「人口の急増は、たとえ一時的でも、公共安全機関への負担を増大させ、対応力を圧迫する」と郡当局は述べている。

州都オースティンを含むトラビス郡も、予想される人出のために先月同様の宣言を行った。アンディ・ブラウン裁判官によると、郡の人口は皆既日食の前後の数日間で倍増する可能性があるという。

「一生に一度のイベントを目撃するのは非常に興奮する」と当局者は述べた。「自然現象であるため、周囲の天候を含め、制御できない要素が多いのが特徴だ」

ダラス・モーニング・ニュースによると、テキサス・ヒル・カントリーは米国で日食を観測するのに最適な場所の一つだ。

しかし、観光客の大量流入は「道路の極端な渋滞、ファースト・レスポンダーと病院システムへの過大な負担、食料と燃料の枯渇、そして市と郡のインフラの過剰な圧迫を引き起こす可能性がある」と、カー郡の裁判官ロブ・ケリー氏は先月警告した。

ナイアガラの滝

一方、先週、ニューヨーク州ナイアガラフォールズ市に隣接するカナダ側のナイアガラの滝地域では、交通渋滞と人出のために緊急事態が宣言された。

この都市もまた、4月8日に月が太陽を遮ることで数分間太陽光が届かなくなる皆既日食の経路上に位置している。ナイアガラフォールズ市長ジム・ディオダティ氏は3月に、同市がこの皆既日食の一日のために、これまでにない最大の訪問者数を迎えることを期待していると述べた。

ニューヨーク州のキャシー・ホウクル知事は、数々の日食観測イベントが予定されていることから、州内の旅行者へ交通の混雑が予想されると警告した。この天体ショーに先立ち、車線の閉鎖や建設工事は一時的に停止されるという。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。
関連特集: アメリカ社会