米国へ不法に渡る中国人が急増していることをめぐり、米中当局は中国人の強制送還に関してハイレベルの協議を行っていると、米国土安全保障省のアレハンドロ・マヨルカス長官が明かした。
「米国に留まる資格がないと判断した個人の強制送還を受け入れるよう、中国側に交渉している」とマヨルカス長官は6日、NBCニュースに語った。
「中国の協力拒否により、移民税関捜査局(ICE)は数百人の中国人を解放せざるを得えない状況に陥っている。その中には暴力犯罪の前科を持つ者も多く含まれており、アメリカの公共の安全を脅かしている」
税関・国境警備局(CBP)は、2023年9月30日に終了した2023会計年度に、米国北部と南部の国境沿いで5万2千人以上の中国人と遭遇した。これは前年度のほぼ2倍だ。
CBPのデータによると、遭遇件数は増加しており、2024年の最初の4か月ですでに3万件が記録されている。
今年に入り、数十人の中国人留学生が中国共産党と関係がある可能性があるとして、ビザを取り消され、ワシントン・ダレス国際空港から強制送還された。
これに対して、中国大使館は、中国人留学生の入国を阻止した米国に対して抗議し、ダレス国際空港を利用しないよう注意を呼びかけた。
中国大使館のウェブサイトに掲載された1月の投稿によると、数か月の間に有効なビザを持つ中国人留学生数十人が、海外旅行や中国の親戚を訪ねて米国に帰国した際、入国を拒否されたという。
しかし、中国大使館は米国が中国人留学生らの入国を拒否した理由について具体的な理由を述べていない。
中国共産党が海外の中国人留学生をスパイ活動や知的財産の窃盗に利用していることは国際社会で知られている。米国の情報機関は、中国共産党軍に所属する中国人留学生が国家安全保障上のリスクをもたらすと何年も前から警告してきた。
2020年5月、当時のトランプ大統領は中国共産党による知的財産の窃取を防ぐため、中国共産党軍とつながりのある中国人留学生と研究者への査証(ビザ)発給を停止し、入国を制限した。
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