国際司法裁判所、イスラエルにラファ作戦停止を命令

2024/05/26 更新: 2024/05/26

24日、オランダに本部を置く国際司法裁判所(ICJ)はイスラエル政府に対し、ラファ地区の南ガザ地帯での軍事作戦を直ちに停止するよう要請した。

同裁判所は、13対2の投票で、イスラエル軍に「ラファ地区で軍事攻撃及びその他あらゆる行動を停止する」よう命じた。

ガザ地区で軍事作戦が続く中、南アフリカ政府はイスラエル政府に対し、民間人への危害を防ぐための予防措置をとるよう求めた1月の命令を修正するよう裁判所に求めた。その後、国際司法裁判所(ICJ)は今回の裁定を下した。南アフリカ政府は、イスラエルによるガザ地区での軍事作戦はパレスチナ人に対するジェノサイド行為になりうると主張し、ICJに同地域での停戦命令を求めていた。国際司法裁判所は1月の命令でこれを拒否していた。

金曜日の判決で、ハーグの裁判所の多数派は、ラファ周辺の最新のイスラエルの作戦は「ガザのパレスチナ人集団に生活条件を課す可能性があり、物理的破壊を全体的または部分的に引き起こす可能性がある」と結論付けた。

ICJはイスラエル政府に、2度目の投票、13対2で「ラファ検問所を開放し、人道支援を妨げることなく必要な基本サービスを大規模に提供すること」を緊急に求めた。

同じ比率の3度目の投票で、ICJはイスラエルに対して、国連の調査チームが「ジェノサイドの疑いを調査するために」ガザ地帯に自由に入ることを求めた。

4度目の13対2の投票で、ICJはまた、イスラエル政府に対して、ガザ地区の紛争に関し、同裁判所の命令に従う努力を文書化した報告書を作成し、提出するよう命じた。

ラファ人道危機懸念、イスラエル作戦を複雑化

イスラエルのネタニヤフ首相は、ラファ地区をハマスの最後の砦の1つと位置づけ、ハマス排除という戦時目標を達成するために、ラファ地区での本格的な攻撃が必要だと主張している。

にもかかわらず、バイデン大統領政権や他の国際的なオブザーバーは、民間人の保護計画なしでのラファ地区大規模作戦に反対している。バイデン政権はイスラエルへ「精密爆弾」の出荷を一時停止した。バイデン氏はイスラエル政府がラファの民間人を十分に保護する措置を取らない場合、他の武器出荷もブロックすると警告している。

戦争の初期、イスラエル軍はガザ地区北部の住民に南への避難を定期的に勧めていた。最近イスラエル軍は、ラファ地区にテントキャンプへの移動を勧告し始めている。

イスラエルがラファからの避難を命じ始めた一方、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、国内避難民の状況について懸念を表明している。UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は、避難命令が出て以来、約80万人がラファから移住したり、または移住し始めたと推定している。

ラザリーニ氏は「毎回、彼らは持っているわずかな所持品のマットレス、テント、調理器具、そして運べないか運搬費を払えない基本的な物資を置いて行かざるを得ない。毎回、彼らは一からやり直さなければならない。今、人々が逃げている地域には安全な水供給や衛生設備がない」と述べた。

5月24日時点で、UNRWAは、5月に入ってからこれまでに2回の陸路で約1406台のトラックに積まれた食糧と人道支援物資がガザ地区に入っている。1日平均で約41台のトラックに上ると報告しているが、この数字は、国連当局がガザ地区の住民を支えるために必要だと述べた1日約500台のトラックに積まれた食糧と物資より少ない。

24日に判決が発表された後、イスラエルも南アフリカの代表団も何のコメントもしていない。

NTDニュースは国際司法裁判所の判決についてコメントを求め、イスラエルの国連代表部及びイスラエル外務省に問い合わせたが、報道時点までに返答はなかった。