中国軍が民主化を求める学生や市民に対して実弾を発砲、また戦車で人をひき潰すなど流血の大弾圧が行われた「六四天安門事件(1989年6月4日)」から、今日で「35周年」を迎える。
中国当局は天安門事件に関連する話題をネット上で血眼になって監視し、国内外で犠牲者を追悼する活動を阻止しようと躍起になっている。
今、事件の現場となった北京の天安門広場では厳戒態勢が敷かれ、広場は立ち入りを制限され、広場を見下ろせる天安門城楼も終日閉鎖となっている。
また、「天安門事件」前後の期間の6月2日~6月5日までは、北京地下鉄1号線から天安門広場へ出られる出口「天安門東站D口」も閉鎖される。
中国国内の大学では、学生たちが追悼などの集会活動を行えないよう厳重な管理下に置かれていることがわかった。
いっぽうネット上でも「厳戒態勢」が敷かれている。
「ウィーチャット(微信)」をはじめ、中国版TikTokの「抖音(ドウイン)」や中国版インスタと呼ばれる「小紅書(RED)」といった最も人気のある中国SNSでも市民による天安門事件の犠牲者追悼ができないようにするための「対策」がしっかりと講じられている。
たとえば、6月4日の前後は、ユーザーはプロフィール画像やニックネームの変更を禁じられており、事件を象徴する画像や言葉を投稿できないようにするためだと考えられる。同様の「対策」は過去2年間行われてきた。
人気SNSのほか、多くの人気オンラインゲームもユーザーによる「プロフィール画像」や「ニックネーム」の変更を禁じた。
例えば、天安門事件を思い起こさせるオンライン ゲーム「坦克世界(邦訳:戦車ワールド)」では6月2日~6日の間、ゲーム内のチャット機能が閉鎖され、ニックネーム変更ができない。
このほか「35年」や「35周年」が今年の、ウェイボー(微博)の検閲対象ワードとなった。この敏感ワードを検索した場合、表示されるのは官製アカウントによる投稿のみとなっている。
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