鳥インフルエンザ 『起こるかどうか』の問題ではなく、『いつ起こるか』の問題。 機能獲得研究は生物兵器に繋がる

前CDC主任、鳥インフルエンザが次のパンデミックを引き起こすと予測

2024/06/19 更新: 2024/06/19

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の元主任、ロバート・レッドフィールド博士は、次の大規模なパンデミックが、鳥インフルエンザによって引き起こされるとの厳しい予測を示した。

レッドフィールド博士は6月14日、NewsNationとのインタビューで、「私は、鳥インフルエンザの大流行が、いつかは必ず発生すると思っています。これは『起こるかどうか』の問題ではなく、『いつ起こるか』の問題です」と述べた。

アメリカの当局は最近、ワイオミング州の牛の群れで高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを確認し、同州はアメリカで12番目に感染例を報告した州となった。レッドフィールド博士は、鳥インフルエンザが人間に感染した場合、大量の死者が出ると警告している。

「死亡率は25%から50%に達する可能性があるため、状況は非常に深刻です」とレッドフィールド博士は述べた。

アメリカ農務省動植物検疫局によると、2019年頃から鳥インフルエンザウイルスに感染する哺乳動物の種類が増加しており、アルパカが最新の感染例となっている。レッドフィールド博士は、鳥インフルエンザがアメリカで、二十数種類の哺乳動物に広がる中、ウイルスが人間に感染するリスクは増大していると述べた。

「ウイルスは多くの変異を繰り返し、新しい受容体を獲得することで、人間に感染する可能性が高まっています」と述べた。

「ウイルスが人間の受容体に付着し、人から人への感染が可能になれば、その時がパンデミックの始まりです。これは単なる時間の問題だと思います」

レッドフィールド博士は、鳥インフルエンザが、いつ人から人への感染を始めるか正確には予測できないが、最近の牛への感染は懸念材料だと指摘している。牛はしばしば豚と接触し、豚はウイルスが人間に感染する前の最後のステップとなることが多いという。

また、レッドフィールド博士は、ウイルスが自然に人間に対して高度に感染性を持つよう進化することよりも、機能獲得研究(Gain-of-Function)によって実験室でその毒性が増すことを懸念している。「鳥インフルエンザが人間に高度に感染するための『レシピ』はすでに存在します。2012年には私の反対にもかかわらず、鳥インフルエンザウイルスに対する機能獲得研究が行われました」と述べた。

 機能獲得研究の議論

レッドフィールド博士は過去に、病原体の特性を変えることでその毒性を高め、人間の健康への影響を研究する機能獲得研究の危険性について警告していた。この研究の支持者は、ウイルスの挙動と拡散を理解し、より効果的な対策を講じるために重要であると主張している。一方、反対者は、このような研究はウイルスを人間に対して致命的にするリスクが高いと指摘している。

2023年3月8日の下院特別委員会の会議で、レッドフィールド博士はこのような研究の一時停止を呼びかけ、「COVID-19パンデミックは、中国の研究所からのウイルス漏出によって引き起こされた」との見解を示した。「機能獲得研究がワクチン開発に不可欠であると考える人も多いが、この場合、研究は逆効果を生み、世界に新たなウイルスを解き放ち、数百万人の死者をもたらした」と述べた。

食品医薬品局(FDA)は、人間への鳥インフルエンザの感染拡大に備えた対策を講じている。CDCは、6月12日の最新情報で、現在のところ一般公衆の健康リスクは低いとしているが、事態を注視し続けている。「H5N1鳥インフルエンザは世界中の野生鳥類に広く蔓延しており、家きんやアメリカの牛にも感染が拡大している。最近、アメリカの一名の牛飼育場作業員が感染した」とCDCは述べている。

CDCは各州と協力し、動物との接触者を監視し、インフルエンザ監視システムを通じて人間のH5N1活動をモニタリングしている。レッドフィールド博士の警告とCDCの対策が示すように、鳥インフルエンザの脅威に対する準備が急務であることは明白である。

 

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。