中国 「官製メディアによる撮影後、災害救援はストップ」

「政府の洪水救援は単なる宣伝」 現地被災者が怒りの訴え=中国福建省

2024/06/21 更新: 2024/06/21

「功績を宣伝せよ」
 

どんな悲劇な災害を前にしようが、真実の被災状況に関する報道は封鎖。許されるのは官製メディアによる「政府の災害救助における輝かしい功績のアピール報道」だけだ。

人災を天災にすり替えるところから始まり、中国当局の偏向報道やフェイク映像は、とどまるところを知らない。

過去にも、そんな官製メディアのやらせ報道に対して、「政府の報道は嘘っぱちだ」「フェイク映像だ」「ヤラセだ」といった現地民による反発が起きているが、最近南部を襲った洪水災害においても、またも同じシナリオが再演されたようだ。

このほど、中国福建省を襲った洪水により少なくとも52万人が被災した。

そうしたなか、「中国共産党政府が宣伝するいわゆる『災害救援』は単なる宣伝だ。撮影終わったとたん、救援も終わった」と告発する被災民が撮影した動画がSNSに投稿された。

最も被害の大きかった地域の1つである、福建省竜岩市武平県中赤郷の被災民の男性は20日、洪水が引いた後の変わり果てた町の姿を撮影しながら、次のように訴えた。

「今日は2024年6月20日、災害発生から4日目、現在時刻は8時過ぎです。今いる場所は鎮(町)政府のすぐ近く、この道は町役場へいく道です」

動画のなかには、汚泥まみれでゴミや瓦礫が散乱した町の様子があった。道端にはショベルカーも停まっている。

撮影者によると、「昨日、中国中央テレビ(CCTV)や各地の記者がここで撮影していた。しかし、撮影終わったら今日、ショベルカーによる作業も中止された」という。

「ほらみて、これが(政府のいわゆる)『災害救助』だというのか?しかも、ここは最も被害が大きかった地域だぞ、であるにも関わらず、そういう態度なのか政府は…あんまりではないか」

「なんて世の中だ」と男性は怒りを噛みしめて、深いため息をついた。

(被災民は「中国共産党政府が宣伝するいわゆる『災害救援』は単なる宣伝だ。撮影が終わったとたん、救援も終わった」と訴えている)

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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