中国 最初は天災(洪水)だったが、いまでは「人災」そのもの

中国・内モンゴルで半年間も水没したままの村々 政府の不作為が生んだ人災【動画あり】

2025/04/03 更新: 2025/04/03

中国・内モンゴル通遼市の複数の村が半年以上も水没したまま「だった」ことがわかった。

「だった」と書いたのは、村が水没したという情報は、最近になってわかったからだ。

地元市民でさえも「すぐ近くなのに、水没していたなんて、今初めて聞いた!」と現地政府による情報統制の徹底ぶりに驚いていた。

 

半年以上も水に浸かったままの村々

内モンゴル通遼市・科左後旗金宝屯鎮(町)の複数の村は、昨年秋に大雨で発生した洪水に浸かって半年以上経つ。

住民たちは、完全に水没した村のなかをひざ上まで水に浸かりながら移動、あるいはやむなく船で移動するしかない。

当然ながら畑も家屋も完全に水に浸かったまま、春に畑を耕し旬菜の望みも断たれ、住民の多くは避難を余儀なくされ、帰る家すらない状態が続いていた。

 

(水没した村の様子)

 

こうした深刻で悲惨な状況であるにもかかわらず、政府は放置し続けたため、水没した村の村民たちは連日のようにSNS通じてSOSを発信してきた。

関連話題は最近、ようやく中国SNSのトレンド入りした。世論の圧力が高まると、現地当局は3月29日、「排水作業の開始と補助金支給」を発表した。

しかし、現地政府は、具体的な解決策は示しておらず、一部の住民が、「政府は口先だけ」と批判している。

いっぽうで、水没した村の災害状況を報道した中国メディアの記事は、次々と削除されており、中国共産党(中共)当局による「安定維持」が行われている模様だ。

中国のネット上でも、「半年間も水没したままなのに、政府は何をしていたのか」

「外国への援助をする金があるなら、まず自国民を助けるべきだ」といった政府の不作為に対する怒りの声が噴出している。

最初は天災(洪水)だったが、いまでは「人災」そのものだ。対応の遅れはともかく、情報封鎖や人民の苦しみへの無関心──これこそが、中共の本質であった。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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